2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H01581
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
山田 昌弘 中央大学, 文学部, 教授 (90191337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
施 利平 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任教授 (20369440)
永田 夏来 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (40613039)
土屋 葉 愛知大学, 文学部, 教授 (60339538)
千田 有紀 武蔵大学, 社会学部, 教授 (70323730)
羽渕 一代 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (70333474)
須長 史生 昭和大学, 教養部, 准教授 (80349042)
谷本 奈穂 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90351494)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 親密性 / 独身者 / 夫婦の情緒関係 / 親密性の外部化 / 離婚 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、親密性に関する大規模な質問紙調査を実施した。 まず、過去行われた夫婦の親密関係、離婚などの調査結果を検討した。そして、対象者が置かれた家族状況に対応した調査票を作成した。独身者(未婚、離別、恋人の有無)そして、既婚者に分け、それぞれ、どのような親密関係を誰と築いているかを調査する質問文を工夫した。質問紙調査作成において、個別に対面、リモート、及び、メールのやりとりで、各分野の担当者と調査票案を検討した。社会学関係以外の研究者からも意見をいただき、調査票に反映させた。そのため、恋愛関係、親子関係、友人関係や個々人の信頼感や結婚意識、ペットとの関係、家族外で売買される親密性も含んだ調査票を作成した。 調査実施に当たっては、数社に見積もりを打診し、信頼できるネット調査会社の中で、最も安価なマクロミル社と契約し、調査の実施を委託した。2020年の国勢調査に基づき、25-64歳のモニターから、年齢独身既婚別に割り付けし、10305サンプルの回答を得、データセットを入手し、各研究者に配付している。 各分担研究者のテーマにしたがって、現在データ分析を各自行っている。研究代表者は、独身者と既婚者の親密関係の違いを分析しており、特に男性において、配偶者やパートナーがいない人の親密関係が低調であるという事実についての詳細な分析を行っている。2023年度に各自、分析結果を持ち寄った検討会を計画しており、日本人の親密関係の全体像を描くことを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分担研究者だけでなく、心理学や福祉学など様々な研究者の意見を取り入れて、親密関係に関する項目も調査票を取り入れることができた。特に、親との親密関係の影響について、追加的な質問を加えている。 予定以上の質問紙調査を実施することができた。大幅な値引きにより、大量のサンプルが確保でき、様々な属性別に詳細な分析が可能になっている。 特に、独身者として一括して捉えるだけでなく、独身者の中で、未婚者、離別者、死別者などのサンプルを各年代ごとに一定数確保することが出来た。そのため、独身者の中でも様々なタイプによってどのような親密関係を築いているかが派分析できるようになっている。 また、親密関係の中身に関しても、パートナーの関係だけでなく、親子、更には、友人だけでなく、ペットや接客業スタッフなどの関係も聞いているため、総合的な分析ができるようになっている。 各分担者にデータ分析を依頼しているので、来年度のまとめに向けた詳細な分析が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2022年度に委託して収集した質問紙調査のデータセット、更に、2021年度までのパイロット調査におけるデータセット、及び、インタビュー調査における録音データを整理する。そのデータに基づき、各分担研究者に、調査データの分析を、各研究者の視点(ジェンダー、世代、地域、親子関係、親の関係などが親密性に与える影響、離婚と親密性、独身者の親密性など)のもとに行ってもらう。 夏期休業中に一度、中間報告会を行い、各自の分析結果の報告と討論を予定している。最終報告書のまとめを年度末に行う予定である。
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