2022 Fiscal Year Annual Research Report
リン/マグネシウム比に着目した透析患者における低栄養予防のための新規栄養療法開発
Project/Area Number |
20H01620
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
伊藤 美紀子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (50314852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 元祥 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 教授 (20283913)
加藤 陽二 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (30305693)
田中 更沙 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (90733387)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病 / 高リン血症 / サルコペニア / マグネシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国では超高齢社会に伴い透析患者も年々高齢化していることから、高齢透析患者への対策は急務である。高齢透析患者は様々な要因から、protein-energy wasting(PEW)と呼ばれる特徴的な低栄養状態に陥りやすい。さらに透析患者では一般集団よりサルコペニア・フレイルの合併率が高いことが大きな課題となっている。PEWの原因には高リン血症による心血管疾患を予防するためのリン(P)摂取制限も関与する。マグネシウム(Mg)はP負荷により生じる血管平滑筋の石灰化を抑制することが近年報告されている。そのためMgの摂取は透析患者の血管石灰化とPEWを抑制できる可能性がある。 本研究ではラット骨格筋由来L6細胞の筋分化誘導条件下において、異なるP、Mg濃度で培養し、筋分化遺伝子発現解析から筋分化への影響を検討した。その結果P/Mg比が低ければ、高Pによる筋分化の抑制が改善されることを示した。腎不全モデルである5/6腎臓摘出ラットを、尾部懸垂及び低栄養で2週間飼育したサルコペニア群、その後P/Mg比が異なる食餌を2週間与えたCP群、HP群、HP+HMg群の4群について解析を行った。筋特異的遺伝子発現解析の結果、サルコペニア群および食餌性P/Mg比が高いHP群と比較し、食餌性P/Mg比が低いHP+HMg群において筋分化関連遺伝子の有意な発現増加が観察された。腎不全動物においてP/Mg比の低い食餌がサルコペニア回復に有効である可能性が示唆された。さらに透析患者を想定した食事介入の前段階として、健常者を対象にP/Mg比の異なる食品を2週間摂取した場合の生体内変化を検討した。これらの研究結果から、今後の透析患者におけるサルコペニアを予防する栄養療法開発のための一助となる成果が得られた。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)