2021 Fiscal Year Annual Research Report
Expanded research of exotic nuclear structure using spin-aligned RI beams
Project/Area Number |
20H01923
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
市川 雄一 九州大学, 理学研究院, 准教授 (20532089)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | エキゾチック核 / 核構造 / スピン / RIビーム / 核モーメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、分散整合二回散乱法によって生成したスピン整列RIビームを用いて、特異な核構造が示唆されているエキゾチック核の励起状態の核電磁モーメント測定を行い、特異核構造発現メカニズムを微視的観点から明らかにする。測定対象は99Zrの電気四重極モーメントおよび130Sn、132Snの磁気双極子モーメントである。 2022年度に理化学研究所RIBFにおいて、99Zrの核モーメント測定実験を行った。実験に向けて実験セットアップの作製、二次標的の作製、データ取得系の開発を行った。ただし、購入を予定していたORTEC製の平板型Ge検出器が2台、業者のミスにより製作が遅れ納入されず、性能的にかなり劣る旧型検出器を用いて実験に臨まざるを得なかった。 当該実験においては分散整合二回散乱法を用いて、1次ビーム238Uから100Zrを経由し、二次標的んにおける一中性子抜き取り反応によって99Zrビームを生成した。電気四重極モーメント測定に先駆けて、まずは99Zrを銅標的に停止させ、外部静磁場印加下での時間微分型摂動核分布(TDPAD)法によるスピン整列度の確認および磁気双極子モーメントの再測定を行った。この測定でおよそ10%程度のスピン整列生成を確認したため、電場勾配を持つジルコニウム単結晶をビーム停止試料として用いる電気四重極モーメントの測定を行った。この測定では電気四重極モーメントと標的中の電気勾配との相互作用により、核スピンの摂動が生じる。この摂動に伴うガンマ線の放出角度時間変化をGe検出器を用いて測定した。 実験後はこれらの実験データの解析を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
業者のミスにより想定していた検出器の不調達という予想外の事態はあったものの、RIBFにおける実験はなんとか遂行することができ、実験データは取得したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
得られた99Zrの核モーメント測定の実験データ解析を進める予定である。得られたスピン整列度の値の評価、磁気双極子モーメントの決定をし、最終的に電気四重極モーメントの決定へとつなげたい。 また、今後予定されている130Snの磁気双極子モーメント測定に向けて、実験セットアップのアレンジ、二次標的の作製などを行う予定である。
|
Research Products
(12 results)