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2021 Fiscal Year Annual Research Report

Resurrection of ancestral aminoacyl tRNA synthetase and stepwise construction of ancestral translation system

Research Project

Project/Area Number 20H02018
Research InstitutionTokyo University of Pharmacy and Life Science

Principal Investigator

横堀 伸一  東京薬科大学, 生命科学部, 准教授 (40291702)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 時下 進一  東京薬科大学, 生命科学部, 准教授 (60266898)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords全生物の最後の共通祖先 / ロイシルtRNA合成酵素 / イソロイシルtRNA合成酵素 / バリルtRNA合成酵素 / 祖先配列復元
Outline of Annual Research Achievements

ARS(アミノアシルtRNA合成酵素)の進化過程の重要なポイントに位置する祖先ARSを、分子系統解析に基づいて歴史を遡って順次復元し,それらのアミノ酸特異性と翻訳系の中での役割を明らかにするため、IleCom(IleRSの共通祖先)、ValCom(ValRSの共通祖先)並びにIV-Anc(IleRSとValRSの共通祖先)を復元し、その機能解析を進めている。これまでに、IV-Ancが現生生物のIleRSやValRSよりもアミノ酸に対する特異性が低いことが、アミノアシル化反応によって生成されるピロリン酸をリン酸に分解して定量する手法によって示唆されている。また、IleCom(IleRSの共通祖先)、ValCom(ValRSの共通祖先)並びにIV-Ancが実際にタンパク質合成系の中で機能するかを明らかにするため、Escherichia coliのLeuRS、IleRS、ValRSのいずれかを除いたE. coliの再構成型無細胞タンパク質合成系に、IleCom、ValCom、またはIV-Ancを添加し、これらの祖先ARSがE. coliのタンパク質合成系で機能するか検討を行った。その結果、IleCom添加によりE. coli IleRS非存在下でのタンパク質合成が進行した。よって、少なくともIleComはE. coli tRNA(Ile)を基質とすることが明らかになった。また、ValComおよびIV-Ancも、E. coliのARSの代わりにタンパク質合成中に機能することが示唆され、IleComの場合と併せて、現在その詳細を検討している。また、LeuRSの共通祖先LeuComとLeuRS/IleRS/ValRSの共通祖先LIV-Ancの配列の推定のため、Class Ia/Ib ARSの複合系統樹の構築の検討を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

アミノアシル化反応によって生成されるピロリン酸をリン酸に分解して定量する手法によって、IleRSとValRSの共通祖先であるIV-Ancが現生生物のIleRSやValRS よりもアミノ酸に対する特異性が低いことが示唆されている。そこで、タンパク質中で用いられるアミノ酸以外のアミノ酸を含む種々のアミノ酸のtRNAへの結合を直接検出するため、アミノアシル化したtRNAを直接酸性ゲル電気泳動法とNorthern hybridization法で検出する実験手法を検討した。その結果、IV-Ancについても、アミノアシル化tRNAの生成が検出されるという結果を得た。
また、LeuRS、IleRS、またはValRSを除いたEecherichia coliの再構成型無細胞タンパク質合成系(PUREシステム)に、IleCom、ValCom、またはIV-Ancを添加してタンパク質合成が行われるか検討を行った。その結果、IleCom添加によりE. coli IleRS非存在下でのタンパク質合成が進行した。また、ValComおよびIV-Ancも、E. coliのARSの代わりにタンパク質合成中に機能することが示唆された。現在その詳細を検討している。
さらに、Class Ia/Ib (LeuRS、IleRS、ValRSに加えて、MetRS、ArgRS、CysRS、GluRS、LysRS)の複合系統樹の構築の検討を行った。これに基づき、LeuRSの共通祖先LeuComとLeuRS/IleRS/ValRSの共通祖先LIV-Ancの配列の推定を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

IV-Anc(IleRSとValRSの共通祖先)とIleCom(全IleRSの共通祖先])、ValCom(全ValRSの共通祖先)の解析:これらの祖先ARSで現生種Escherichia coliのARSを置き換えた再構成型大腸菌無細胞タンパク質合成系を用いてタンパク質合成を行い、どのARSの活性を相補するかを引き続き検討する。また、合成されたタンパク質のアミノ酸配列を決定し、祖先ARSによってどのアミノ酸がタンパク質に組み込まれたのか明らかにする。非タンパク質アミノ酸を使用した祖先ARSを利用した無細胞タンパク質合成を行い、祖先ARSの存在した時代のタンパク質合成系におけるアミノ酸使用の精度について考察する。また、araBAD プロモーター制御下の祖先ARSの発現ベクターでValRSまたはIleRS遺伝子の高温度感受性大腸菌変異株を形質転換する。その大腸菌を祖先ARS のみが発現する条件にすることにより、祖先ARSがValRSまたはIleRSを相補するか検討し、「祖先化」大腸菌の作製を試みる。さらに、Class Ia/Ib ARSの複合系統樹に基づき、全LeuRSの共通祖先LeuComとLeuRS/IleRS/ValRSの共通祖先LIV-Ancの配列を推定し、その復元を試みる。
B. Class IIa/IIb ARSの祖先ARSの発現:Class IIa/IIb ARSの分子系統解析(Furukawa et al. 2022)に基づき,姉妹群であるProRSとSerRSについて,各々の共通祖先(ProComとSerCom)とProRSとSerRSの共通祖先(PS-Anc)の配列を復元する。まず、ProComとSerCom、並びにPS-Ancを始めとしてその大腸菌内での発現と、精製・機能解析を試みる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Amino Acid Specificity of Ancestral Aminoacyl-tRNA Synthetase Prior to the Last Universal Common Ancestor Commonote commonote2022

    • Author(s)
      Furukawa Ryutaro、Yokobori Shin-ichi、Sato Riku、Kumagawa Taimu、Nakagawa Mizuho、Katoh Kazutaka、Yamagishi Akihiko
    • Journal Title

      Journal of Molecular Evolution

      Volume: 90 Pages: 73~94

    • DOI

      10.1007/s00239-021-10043-z

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 最後の共通祖先コモノート以前の祖先型アミノアシル tRNA 合成酵素のアミノ酸特異性2022

    • Author(s)
      古川龍太郎、横堀伸一、佐藤陸、熊川大夢、中川穂、加藤和貴、山岸明彦
    • Organizer
      第46回生命の起原および進化学会学術講演会
  • [Presentation] 全生物共通祖先tRNAの復元2021

    • Author(s)
      横堀伸一、見渡空汰、守屋日向
    • Organizer
      第44X回日本分子生物学会年会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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