2020 Fiscal Year Annual Research Report
Spectral control of surface Plasmon by Fabry-Perot interference and its application for near-field thermophotovoltaic power generation
Project/Area Number |
20H02084
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
花村 克悟 東京工業大学, 工学院, 教授 (20172950)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 近接場光 / 波長制御 / エネルギー変換 / 熱光起電力発電 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は波長選択近接場光を用いた光起電力発電を目指していることから、波長選択近接場光電池および波長選択近接場光放射体の製作に注力している。本年度は、新型コロナウィルスの影響によりTeドープのn型GaSb半導体を成長させるための横型セルの導入ができなかったため、GaとSbの分子線のみを用いて分子線エピタキシャル装置によりInAs基板上にアンドープのp型GaSbをおよそ100nmの厚みに成長させた。そして、X線回折装置によりInAsおよびGaSbのピークが確認でき、InAs基板上にGaSb結晶が成長していることを明らかにした。その後、InAs基板を塩酸にて取り除いた後、Si基板に金(Au)を蒸着した表面にファンデルワールス力接合により張り付け、さらに薄膜GaSb半導体表面にグリッド状Au電極をリソグラフィーとリフトオフにより製作できることも明らかにした。このときのグリッド状電極のサイズは、幅115nm、開口面295nm×297nmであった。このグリッド電極-薄膜GaSb半導体-平滑電極構造による反射率を、垂直方向から入射角および反射角をいずれも15度傾けた指向性反射率を測定し、GaSb半導体のバンドギャップ近傍の波長1.5ミクロンにおいて吸収率が91%となり、波長1.8ミクロンより長い波長域では吸収率が10%以下となることを明らかにした。すなわち、本研究におけるグリッドAu電極-薄膜GaSb半導体-平滑Au電極構造により、GaSb半導体のバンドギャップ近傍のみ吸収率を高くすることができることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
グリッドAu電極-薄膜GaSb半導体-平滑Au電極構造の製作が可能であること、およびGaSbの単結晶が成膜できていること、さらにGaSb半導体のバンドギャップ近傍のみに吸収率90%以上とすることができることを示すことができたが、電池の製作は次年度以降に持ち越しとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの影響によりTeドープのn型GaSb半導体を成膜することができず、電池の製作には至らなかった。構造としての波長選択が可能であることは明らかにすることができたが、発電に至るかどうかは次年度に持ち越しとなった。
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Research Products
(10 results)