2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research and Development of Spiderman-Type Robot with Innovative Locomotion
Project/Area Number |
20H02119
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
永岡 健司 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60612520)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 移動ロボット / 極限探査 / テザー移動 / クライミング移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究としては,4つの研究課題のうち(1)凹凸適応ハンド機構の創成,および(2)テザークライミング(Tethered-Climbing)の創成,について取り組んだ. (1) 凹凸適応ハンド機構の創成 自然の凹凸の地形表面に適応した「しがみ付き」の実現に向けて,ロボット・ハンドの多指(初年度は最小構成の3本指で実施)を非同時に1つずつ順に地形に「しがみ付かせる」機構,および「なぞり動作」の制御システムを実装した.特に,力覚センサを搭載したセンサフィードバックによる「なぞり動作」の自動化,ならびに「掴みごたえ」の補償を制御システムに組み込むことで,ミクロな凹凸面を有する比較的平坦な面に対しても,凸面把持と同レベルの「しがみ付き」を実現できることを実証した. (2) テザークライミングの創成 これまでのフリークライミングロボットが有するハンド可動域制限を飛躍的拡大手法として,テザー連結したロボット・ハンドを伸展させる移動方式を実現する機構のプロトタイプ開発をおこなった.テザー伸展方式として,ロボット本体を上下二段構造にし,上段に搭載する伸展アームで下体のハンドを着脱してテザー伸展を実現するテレスコピック型伸展アームを設計し,また着脱可能なロボットグリッパを設計することで,これらを統合したテザーを用いたクライミング移動の要素技術となるプロトタイプを開発した.開発したプロトタイプは,実験を通じて提案するテザー伸展が可能であることを示すとともに,複数テザーの長さ調整による空間移動を可能とする基本機能を備えていることを実証することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の進捗状況としては,当初計画していた「凹凸適応ハンド機構の創成」および「テザークライミングの創成」に向けた,ロボットグリッパの開発と制御の実現と,テザークライミング機能を備えたロボットシステムのプロトタイプを開発することができた.今後,提案する革新的な移動形態(テザークライミング移動)を実機実証していくための要素技術の研究開発を予定通り進めることができた.そのため,進捗状況はおおむね順調に進展している,と判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として,2021年度の研究計画を4つの研究課題に分けて示す. (1) 凹凸適応ハンド機構の創成:初年度に開発した凹凸適応ハンド機構の把持制御に対して,より多様な地形に対する把持実験を通じた性能評価と機構改良をおこなうとともに,力学モデリングとその妥当性評価をおこなう.これにより,凹凸適応ハンド機構の具現化と把持力学理論の体系化を目指す. (2) テザークライミングの創成:初年度に開発したテザークライミング機構を備えたロボット・プロトタイプを用いて,凹凸地形に対するテザーを用いたクライミング移動(懸垂上昇・下降などを含む)の有効性を実験的に評価することを目指す.また,実験を通じて得られる知見をフィードバックすることで,最終的な統合ロボットシステムの設計開発を実現する. (3) ハンドアイ・システムの構築:ロボット・ハンドに視覚センシング可能な小型RGB-Dセンサを搭載したハンドアイ・システムを新たに構築する.各ハンドにセンサを搭載し,ロボット・ハンドのテザー伸展に連動した環境認識を機能的に融合することで,ハンド近傍の地形を認識し,凹凸地形適応性に基づく「しがみ付き」領域の抽出と誘導を可能とするシステムの実現を目指す. (4) システム統合と制御の実証:課題(1),(2),(3)の要素技術を統合したロボットシステムの設計をおこなう.特に,ロボット・ハンドの機能統合に向けて,課題(1)と(3)をユニット化するための設計を中心に研究開発を進めていく.
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Research Products
(4 results)