2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of theory and technology for quantum error correction based on quantum control theory
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20H02168
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
津村 幸治 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (80241941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 健太郎 京都大学, 情報学研究科, 助教 (40639233)
田中 冬彦 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (90456161)
大関 真之 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (80447549)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 制御理論 / 量子誤り訂正 / 量子情報理論 / 量子統計 / 量子計算理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的を達成するため,本研究では次の4課題の解決を目指す.各課題の内容と2020年度の実施内容を以下で説明する. 課題1:量子誤り検出のためのオンライン状態トモグラフィ(担当:田中,大木,大関) 量子誤り訂正を行う場合に生じる状態トモグラフィの問題を解決するため,本研究では具体的な誤り訂正の量子系を想定し,実行できる操作・測定の条件を調べ,条件内で行えるオンライン状態トモグラフィの手法の構築を目指す.2020年度は,そのための基礎となる量子イジングモデルに対する平均場近似を用いた推定法,低次元近似されたカルマンフィルタ,観測量に制限のある推定問題についての結果を得た. 課題2:量子フィードバック制御の制御性能解析(担当:津村,大木) 量子系の場合の Maxwell の悪魔とフィードバック制御の性能限界に関する議論を通して,量子誤り訂正システムに対する量子フィードバック制御系の制御性能限界を与えることを目的とする.2020年度は問題の定式化と基礎理論開発を進めた. 課題3:連続時間量子系における冗長化と量子誤り訂正精度のトレードオフ解析(担当:大木,大関,津村) 連続時間量子系において情報の冗長化と誤り訂正のフィードバック制御の性能とのトレードオフを解明することを目的とする.2020年度は連続時間量子系において量子符号化と復号化が一貫して可能であることを解明した. 課題4:実機の不均一さを克服する論理ビット構成の機械学習的アプローチ(担当:大関,田中) 情報の冗長化を実機で実現する場合,量子ビットが雑音に敏感であり,実機ごとの雑音やモデル化誤差の影響は大きくなる.そこで各量子計算機の持つ特性をデータから学習することにより,各実機にチューニングされた優れた論理ビットの構成法を自動化することを目指す.2020年度はその準備として実機による最適化問題の求解を実施し,その特性を解析した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題1については,状態トモグラフィの問題解決のための年度初めにおける当初の計画,つまり問題の定式化と基礎理論の開発について,おおむね計画通りに研究が進んでいる.ただし,より具体的なシステムを想定した結果が望まれるところである.課題2については問題の定式化と基礎理論開発を進めてきたが,量子誤り訂正の問題設定との関係について未だ不十分な点があり,2021年度以降のさらなる進展に注力する.課題3については当初の計画,つまり連続時間量子系における情報の冗長化とフィードバック制御の性能とのトレードオフの解明を目指した問題の定式化と基礎理論の開発について,おおむね計画通りに研究が進んでいる.課題4については最適化問題求解における実機の振る舞いの特性を解析したが,論理ビット構成法を自動化するための問題の定式化および学習の手法の開発が不十分であり,今後の進展に注力する.
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Strategy for Future Research Activity |
課題1においては,より具体的なシステムを想定した条件下での理論開発を進める.課題2については,これまで一般的なシステムに関する結果を得ているが,量子誤り訂正の問題設定における結果について詳細な理論解析を進め,2020年度での研究進捗の遅れを取り戻す.課題3については,前年度の定式化・基礎理論開発の結果をベースに,情報の冗長化と性能のトレードオフの解明に注力する.課題4については2020年度での実機の振る舞いの解析をもとに,計算機のチューニングのための学習法の開発を進める.また課題1~4全体において,各課題間の結果の連携を進める.
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Research Products
(9 results)
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[Book] 量子コンピュータによる機械学習2020
Author(s)
Maria Schuld (著), Francesco Petruccione (著), 大関 真之 (翻訳), 荒井 俊太 (翻訳), 篠島 匠人 (翻訳), 高橋 茶子 (翻訳), 御手洗 光祐 (翻訳), 山城 悠 (翻訳)
Total Pages
368
Publisher
共立出版
ISBN
978-4320124622