2020 Fiscal Year Annual Research Report
An interdisciplinary stochastic tsunami disaster prediction accelerated by a surrogate model
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20H02418
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浅井 光輝 九州大学, 工学研究院, 准教授 (90411230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 大吾郎 筑波大学, システム情報系, 教授 (00262121)
馬場 俊孝 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (90359191)
森口 周二 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (20447527)
大竹 雄 東北大学, 工学研究科, 准教授 (90598822)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 津波 / 粒子法 / サロゲートモデル / 不確実性の定量化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに開発を進めてきた地震シナリオ(地震学)から始まり、津波発生(津波学)、伝搬(津波工学)、そして地上への遡上による構造物等の被害予測(構造工学、地盤工学、地震工学)までの一連の過程をすべて物理シミュレーションする(多数の学問領域にわたる)インターディシプリナリ津波解析コードの機能強化を行った。 1.サロゲートモデルによる確率論的被害予測 スナップショットPOD(Proper Orthogonal Decomposition)による主成分分析により得られる固有モード分解などを用いたサロゲートモデル(大規模な詳細モデルと同等の解析を可能な低自由度な代理モデル)を使い、計算コストを極限まで抑えたリスクの確率評価技術を構築した。 2.水-土-構造連成解析機能 最終的には津波遡上後の構造物被害の推定を行うため,津波遡上現象だけでなく,津波により洗掘される地盤,また瓦礫として浮遊する物体までを同時に解くことを想定しており,これまでに開発した粒子法解析コードの機能拡張をし,三相(水,土,構造)が連成した連成解析用の粒子法コードの基礎を開発した。 3.構造物崩壊解析機能 津波遡上とともに,特に木造家屋は倒壊し,倒壊家屋が瓦礫となり津波により浮遊して流れることと津波による流体力の増大化し,その後の連鎖倒壊を招いている。こうした複雑かつ広範囲にわたる木造家屋の倒壊解析を可能とするため,共同研究者・磯部とASI-Gauss法による崩壊解析コードの高速化・効率化を図った。そして,GISデータから街区全体の木造家屋の解析モデルを作成することに成功し,大規模解析に耐えうるコードを開発することで,街区全体の地震動による家屋崩壊解析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初掲げた3つの学術的な問い(後述)に対して答えを出すことを目標と設定し、1年目の段階で、そのうち2つ(1.と3.)については当初より計画していた方法により,解決ができる見込みができた。 1.地震シナリオの不確実性を考慮にいれた津波高の確率論的評価は可能か 2.パソコンレベルの計算機で即時津波予測を実施可能か 3.木造家屋などの崩壊を含む街区全体の被害を定量的に評価できるのか また2つ目の即時津波予測については、当初予定していなかった新しい機械学習による問題解決の検討を始め、その可能性を確認するまでに至った。 助走期間の準備もあり,初年度で6編の学術論文に掲載(うち3編は高いインパクトファクタの国際誌)され,またコロナ禍にも関わらず15回の学会発表(うち8回は国際会議)を行った。以上の理由から計画以上に進展しいると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
パソコンレベルの計算機で即時予報は実施可能かとの学術的な問いが主に残された課題である。 これには当初予定したサロゲートモデルを使った代理計算だけでなく、他のデータ科学の技術(機械学習など)も視野に入れてより適切な方法を検討していく。
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Research Products
(22 results)