2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Ultrahigh-throughput Technology for Single cell Metabolic Phenotyping
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20H02872
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
三浦 大典 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (40532627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 由紀 九州大学, 農学研究院, 准教授 (20390304)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MALDI-MS / singles cell / フェノタイピング / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請では、細胞単位での“物質的フェノタイプ”とも言われるメタボロームをプロファイルとして捉え、各々の“細胞の個性”を高解像度に捉える超高速・高感度分析法を開発し、疾患や薬剤投与などへの応答をフェノタイプとして捉える事を目標としている。MALDI-MSを用いた単一細胞を対象とした代謝プロファイリング法の確立を目指し、高感度かつ再現性の高いサンプル調製法の最適化を行うために、動物細胞を模倣したW/Oドロップレットを用いた検討を進めた。MALDI-MSでは液滴でマトリックスを供給するドロップレット法、エアブラシなどで供給するスプレー法、昇華により供給する蒸着法があり、最も微細なサンプル調製が可能なのは蒸着法であるが、一般的に感度が非常に低くなり、マトリクスの均一性と分析感度はトレードオフの関係にある。蒸着法でマトリックスを供給した場合には単一細胞レベルの均一な表面構造を得ることは可能であるが、極端に感度が落ちることが知られている。一方で、マトリックスを蒸着法にて供給したのちごく穏和な条件で再結晶化する事で高い再現性かつ高感度なサンプル調製法を確立することに成功した。本条件下では空のドロップレットと標準試薬として用いたdNTPを含むドロップレットを質量分析によって独立に検出することが可能であり、その検出感度はatto molレベルで十分に検出できるなど、非常に好感度であることが明らかとなった。今後は実際の培養細胞を用い計画通り抗がん剤投与による代謝変動を確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を遂行する上で最も重要となるサンプル調製法の最適化に目処が立ったため、順調に進んでいると判断できる。今後は当初目標である単一細胞の代謝フェノタイピングはもとより、当初予定していなかったW/Oドロップレットを用いたハイスループットスクリーニング系の構築にも挑戦したい。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していなかったが、検討用に用いていたW/Oドロップレットが想定よりも汎用性の高いものであったことから、今後はこれを用いた用いたハイスループットスクリーニング系の構築にも挑戦したい。
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