2020 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on the electrostatic surface potential analysis of fungus spores for the improvement of photofungicidal technology by the combination with polyphenols
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20H02934
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
白井 昭博 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 講師 (40380117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 昭浩 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 特任研究員 (00848509)
宮脇 克行 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 准教授 (80380111)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ゼータ電位 / ポリフェノール / カビ胞子 / 光殺菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の目標の一つは、既存のポリフェノールを用い、カビ胞子の表面ゼータ電位解析を可能とする条件を決定することであった。そのために、まずは置換基構造およびプロペノン側鎖構造が異なる7種類のポリフェノール(フェルラ酸、フェルラ酸メチルエステル、バニリン酸、カフェ酸、クロロゲン酸、没食子酸、クマル酸)を用い、クラドスポリウム胞子のgrowth curve解析を行い、各化合物における濃度依存によるカビ胞子の生育抑制効果を明らかにした。並行して、それら化合物とブルーライトの併用による殺カビ活性についても明らかにした。現在、カビ胞子の表面ゼータ電位を測定するための測定条件を検討中である。具体的には、光殺菌活性が大きく異なるフェルラ酸とカフェ酸を用い、それら化合物で処理することによるクラドスポリウム胞子の表面ゼータ電位の差が化合物間で得られる条件を決定するために、溶媒系を純水、食塩水、リン酸緩衝液とし、pHの影響を考慮した検討を実施している。 本年度の目標の二つ目は、バイオマス由来リグニン分解物からの低分子ポリフェノールの取得およびその抗酸化活性の評価を行うことであった。バイオマスには稲わらを用い、その水蒸気爆砕物の光殺菌活性に寄与すると推測されるフェノール性OH基の定量的評価として総ポリフェノール量を測定し、それが大きく異なる2種類の抽出物を得た。 今年度の研究活動で得られた7種類のフェルラ酸、フェルラ酸メチルエステル、バニリン酸、カフェ酸、クロロゲン酸、没食子酸、クマル酸を用いたブルーライトを併用した殺カビ効果について、年次大会および研究フォーラムで成果発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
光殺カビ活性を示すポリフェノールの予測が、表面ゼータ電位解析で可能とすることを検討するために、ポリフェノールはフェルラ酸とカフェ酸を代表化合物として用い、溶媒系を純水、食塩水、リン酸緩衝液、そしてpH2.5から7.0の範囲でゼータ電位の変化を測定しているが、現在のところ、化合物間の差を表す知見が得られていない。 木質バイオマス由来リグニン分解物として、20種類程度を得る計画としていたが、現在のところ、水蒸気爆砕処理した2種類しか得られていない。しかしながら、総ポリフェノール量が大きく異なる試料であることは明らかであったため、光殺菌活性も異なる試料として予想され、今後の研究計画に合致する試料であることは期待できる。 その他の計画は予定通りに進んでいるため、総合して「やや遅れている」と進捗状況を判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
カビ胞子の表面ゼータ電位解析の測定条件を引き続き検討する。方策としては、処理濃度、処理時間をファクターに加え検討し、クラドスポリウム胞子で目的が達成できないようであれば、例えばアスペルギルスの胞子で検討することを計画する。 バイオマス由来のポリフェノールの取得は、稲わら水蒸気爆砕物をターゲットとして、その爆砕物からの抽出処理条件の異なる試料を取得することにより、数種類の特性の異なる試料を獲得する。そして、表面ゼータ電位解析条件が確立された後、それら爆砕抽出物を用いたカビ胞子処理における表面ゼータ電位の変化を検討する予定である。
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Research Products
(2 results)