2021 Fiscal Year Annual Research Report
PDX-3D法を用いた創薬ライブラリ構築と新規膵癌治療薬探索
Project/Area Number |
20H03754
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
水元 一博 国際医療福祉大学, 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部, 教授 (90253418)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲田 興平 九州大学, 大学病院, 講師 (30419569)
大内田 研宙 九州大学, 大学病院, 講師 (20452708)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 膵癌 / 癌関連線維芽細胞 / 化合物スクリーニング / PDXマウス / オルガノイド / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では患者腫瘍移植マウスモデル(patient-derived xenograftモデル;PDXモデル)ライブラリやオルガノイドライブラリを作成し、癌関連線維芽細胞といった間質細胞との共培養で癌局所微小環境を再現したスクリーニング系を構築し、新規膵癌治療薬を開発することを目的とする。本年度は、ヒト膵癌切除組織から樹立したヒト膵癌オルガノイドライブラリの作成を継続しておこなった。また、ヒト膵癌オルガノイドと癌関連線維芽細胞による三次元共培養モデルを作成し、化合物スクリーニングに先立ち、ゲムシタビンを用いた薬物治療実験を行った。具体的には、ヒト膵癌オルガノイドに蛍光タンパクであるGFPを遺伝子導入し、薬物投与後のGFP蛍光強度およびGFP蛍光面積を定量化することによってviability assayを行った。膵癌オルガノイドの生存率は濃度依存的に低下し、化合物スクリーニングを行う上で有用なモデルであることを確認した。また、癌関連線維芽細胞にも蛍光タンパクであるRFPを遺伝子導入しており、癌関連線維芽細胞を標的として薬物治療実験も可能と考えられた。さらに、三次元培養共モデルの化合物スクリーニングに先立ち、癌関連線維芽細胞の活性化が抑制された際の脂肪滴蓄積に着目し、通常培養した癌関連線維芽細胞を用いた化合物スクリーニングを確立した。その結果、オートファジーを抑制し得る複数の化合物が同定でき、その一部を用いてin vitro/vivoで効果を立証し論文報告を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に10例のヒト膵癌オルガノイドモデル樹立できており、このオルガノイドと癌関連線維芽細胞を用いた三次元共培養モデルの確立および同モデルを用いた薬剤投与試験の評価方法も確立できた。また一方で、癌関連線維芽細胞の活性化抑制を標的とした化合物スクリーニングを行い、選定薬剤の有効性を確認し論文報告することができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
三次元共培養モデル用いたviability assayの確立と癌関連線維芽細胞の活性化抑制を標的とした化合物スクリーニングを併用することで、オルガノイド三次元共培養モデルを用いた化合物スクリーニングを確立する。そのために癌関連線維芽細胞を三次元培養した際の活性化抑制もしくはオートファジー抑制の評価方法を確立していく予定である。
|
Research Products
(4 results)