2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of factors affecting oral microbiome development in early life stage
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20H03901
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 喜久 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20192403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石村 匡崇 九州大学, 大学病院, 助教 (10448417)
竹内 研時 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (10712680)
古田 美智子 九州大学, 歯学研究院, 講師 (20509591)
竹下 徹 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (50546471)
須磨 紫乃 九州大学, 歯学研究院, 助教 (70759365)
影山 伸哉 九州大学, 歯学研究院, 助教 (90822495)
朝川 美加李 九州大学, 歯学研究院, 助教 (90852583)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔マイクロバイオーム / 早期ライフステージ / ディスバイオシス / 次々世代ロングリードシーケンス / AI |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度採取した4ヶ月児と母親の舌苔試料と、健康診査票や質問紙票から得られた情報をもとに、4ヶ月児と母親における口腔細菌の母子伝播について詳細な解析を行った。各試料の細菌構成は16S rRNA遺伝子の全長解析によって詳細に決定した。その結果、4ヶ月児の細菌構成は母親の細菌構成と大きく異なっていたが、4ヶ月児で検出されたASV数の16.7%(0-75%)が生物学的母親と共有され、それらが構成比率9.7%(0-99.3%)を占めていた(数値は中央値[範囲])。この構成比率は、分娩様式や抗菌薬服用の有無ではなく乳児の栄養方法と強く関連しており、完全母乳栄養児と比較して人工乳栄養児で有意に高かった。この結果から、母乳栄養児では乳児特有のマイクロバイオームが維持される可能性が示唆された。 さらに本年度は追跡調査として、令和3年3月から5月に実施された福岡市東区の1歳6か月児健診において口腔診査ならびに舌苔採取を行い、健康診査票と質問紙票から情報の取得を行った。COVID-19の影響により1歳6か月児健診が集団健診ではなくなり追跡調査の実施が危ぶまれたが、九州大学が個別に集団健診を実施し対象者に通知をしたことで、216名の追跡調査が可能となった。採取した舌苔試料からDNAを抽出したのち、PCR法を用いて細菌16S rRNA遺伝子の全長(V1-V9領域)を増幅し、PacBio Sequel Ⅱを用いてその塩基配列を解読した。その後、解読した塩基配列をもとに各試料中の細菌構成を詳細に明らかにした。 現在は、4ヶ月から1歳6ヶ月にかけての舌マイクロバイオームの成熟過程や、母親由来細菌がその成熟に与える影響などについて詳細な解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2回目の追跡調査として、令和4年9月から実施される3歳児健診において舌苔試料採取と質問紙調査を予定しており、これまで得られた結果と合わせることで、早期ライフステージにおける口腔マイクロバイオーム形成に影響を及ぼす因子の解明を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のとおり、2回目の追跡調査として、令和4年9月から実施される3歳児健診において舌苔試料採取と質問紙調査を予定している。それにより、4ヶ月から3歳にかけての舌マイクロバイオームの成熟過程や、各年代の細菌構成がう蝕や全身の疾患に与える影響について調べる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Yogurt product intake and reduction of tooth loss risk in a Japanese community2022
Author(s)
Ma J, Furuta M, Uchida K, Takeshita T, Kageyama S, Asakawa M, Takeuchi K, Suma S, Sakata S, Hata J, Sohn W, Ninomiya T, Yamashita Y.
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Journal Title
J Clin Periodontol.
Volume: 49
Pages: 345-352
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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