2021 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子変異導入モデルマウスによる、乳幼児突然死解明の革新的診断スキームの構築
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20H03958
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
山本 琢磨 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50634458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 成人 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10561772)
今坂 舞 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50759553)
大村谷 昌樹 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60398229)
三浦 綾 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90814814)
池松 和哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80332857)
村瀬 壮彦 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (40823315)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 遺伝子変異モデルマウス / 乳幼児突然死 / Rbm20 / Cpt2 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、法医解剖で経験した若年性突然死症例にRBM20遺伝子の新規I536T変異を検出したが(Yamamoto et al., Forensic Sci Int 2019)、その変異の病的意義についての判断は困難であった。 一年目は、このRBM20遺伝子に着目しノックインマウスRbm20-I538T KIマウスのを作製した。さらにRNAスプライシングへの影響、遺伝子発現量への影響を確認した。 二年目は、病理学的検討と生理学検査を行った。病理学的検討では、H.E.染色及びMTC染色を行ったが、拡張型心筋症や線維化は顕著には認められなかった。生理学的検討では、心エコーにより左室内径短絡率や左室拡張末期径の計測を行ったが、homo群でややFSが低下傾向であるものの、その差は顕著には認められなかった。各種心不全マーカーにおいても顕著な差は認められなかった。これらの結果を踏まえ、I536T変異の意義を考察し、論文投稿を予定している。 また、Rbm20変異マウスのみならず、先天性代謝疾患であり乳幼児突然死の原因の一つにもなるCpt2変異マウスの作製も行った。この遺伝子は、pathogenic variantによる疾患の発症以外に、polymorphismであるF352C多型変異の熱感受性に基づいて発熱疾患や熱中症においても機能低下することが知られている。我々も過去に乳幼児突然死においてこの変異が高率に認められることを報告したが、その詳細なメカニズムについては検討できていなかった。このモデル動物作製により突然死との関連性を解き明かすことが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2種類の遺伝子変異モデルマウスを作製することができた。うち1種類については分子生物学的解析や病理組織学・生理学的な形態解析も行うことができており、順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、Rbm20マウスについては蛋白レベルでの解析を実施し、RNAレベルでの影響が蛋白レベルで影響を及ぼしているのかについて検討する。また、 心筋だけでなく、骨格筋での影響についても同様に検討する。 Cpt2マウスについては、脂肪酸代謝への影響を生理学的・生化学的・遺伝学的に検討する。
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Research Products
(1 results)