2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Embodied Self: From Minimal to Narrative
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20H04094
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田中 彰吾 東海大学, 文化社会学部, 教授 (40408018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 克典 北海道大学, 人間知・脳・AI研究教育センター, 特任講師 (00772047)
浅井 智久 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 主任研究員 (50712014)
今泉 修 お茶の水女子大学, 人間発達教育科学研究所, 准教授 (60779453)
村田 憲郎 東海大学, 文学部, 教授 (80514976)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 身体性 / 身体化された自己 / ミニマル・セルフ / ナラティブ・セルフ / 身体イメージ / 身体図式 / 自己イメージ / 習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脳-身体-環境の相互作用から創発する現象として自己をとらえる「身体化された自己」の概念のもとで、ナラティヴ・セルフ(物語的自己)について、将来の実証科学的研究を推進する理論モデルを構想することにある。従来、身体性にもとづく自己の科学的研究はミニマル・セルフ(最小自己)の哲学的理論をもとに進められてきたが、この概念は、自己経験が時間的広がりのもとで物語として編成されていく過程への着目を欠いている。そこで本研究では、身体性への着目を残すことで従来の科学的な自己研究との連続性を保ちながら、現象学的哲学に依拠してナラティヴ・セルフの理論モデルを新たに構想することを目指している。 2023年度は計画の最終年度であり、研究成果を論文および書籍の形で取りまとめ出版することに注力した。第一に、代表者の田中と分担者の宮原で論文「Narrative self-constitution as embodied practice」を投稿し、『Philosophical Psychology』誌に掲載された。本論文は、身体と環境の相互作用として形成される「習慣」に着目し、習慣の延長線上に形成される物語実践を通じてナラティブ・セルフが構成されることを理論的に明らかにしたものである。第二に、代表者の田中の編集により『自己の科学は可能か――心身脳問題として考える』を新曜社から刊行した。同書には、ミニマル・セルフとナラティブ・セルフの間に反省的自己と言語的自己を介在させることで両者を連続的な階梯として位置づけた田中の理論的論考に加え、同じくミニマルとナラティブを実験心理学のエビデンスに基づいて論じた分担者の今泉の論考、セルフを「心身脳問題」という三項関係の問題として理論的に整理し直した分担者の浅井の論考を収録している。 以上の通り、論文と書籍を通じて4年計画で実施した研究成果を公表した。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(20 results)