2020 Fiscal Year Annual Research Report
Extinction of nature experience: causes, consequences and implications
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20H04375
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
曽我 昌史 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (80773415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野井 貴浩 白鴎大学, 教育学部, 准教授 (40567187)
土屋 一彬 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (40615639)
赤坂 宗光 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70446384)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 都市生態学 / 保全生態学 / 環境心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
複数の大規模アンケート調査を行い、「経験の絶滅スパイラル」の実態把握と生物多様性保全および人の健康に与える影響を調査した。実態把握では、20代-70代の方を対象に調査を行い、日本においてはここ50年の間に自然との関わり合いのレベルが極度に低い人の数が倍増していることが明らかになった。つまり、「経験の絶滅」が急速に進んでいることが分かった。生物多様性保全に与える影響では、幼少期の自然体験が生物多様性保全行動(消費やライフスタイル等に関する18の行動)に与える影響を調べた。その結果、幼少期に自然体験を全くしていない人と比べて、「月に一回以上」体験していた人は有意に保全行動をすることが分かった。逆に、「半年に一回」以下しか体験していなかった人は、保全行動をほとんどしなくなることが分かった。以上の結果は、(1)現在日本で進んでいる「経験の絶滅」は生物多様性保全に負の影響を及ぼし得ること、(2)月に一回以上の自然体験を促進することはこの負の影響を低減するために重要であることを示唆している。
また、人の健康に与える影響では、コロナ禍における自然体験とメンタルヘルスの関係を調べた。2020年に東京都で調査を行った結果、窓から緑が見える人や都市緑地を頻繁に利用している人は、コロナ期間中にうつ症状を発症しにくいことが明らかとなった。この結果は、都市の緑や人と自然との関わり合いは、現在世界的に増える精神疾患を予防する効果があることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響により、自然体験に関する人の行動が変化してしまったので、当初の予定通りアンケート調査を行うことができず、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、自然体験の「頻度」と生物多様性保全行動の関係を調べるだけではなく、自然体験の「質」と保全行動の影響の関係も調べる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Societal extinction of species2022
Author(s)
Ivan Jaric, Uri Roll, Marino Bonaiuto, Barry W. Brook, Franck Courchamp, Josh A. Firth, Kevin J. Gaston, Tina Heger, Jonathan M. Jeschke, Richard J. Ladle, Yves Meinard, David L. Roberts, Kate Sherren, Masashi Soga, Andrea SorianoRedondo, Diogo Verissimo, Ricardo A. Correia
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Journal Title
Trends in Ecology and Evolution
Volume: 37
Pages: 411-419
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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