2022 Fiscal Year Annual Research Report
Integrated Practice of Field Science Contributing to Monkey Malaria (Plasmodium knowlesi) Control from an Eco-Health Perspective
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20H04426
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
東城 文柄 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 准教授 (90508392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 友矩 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (10790503)
内藤 大輔 京都大学, 農学研究科, 助教 (30616016)
門司 和彦 長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 教授 (80166321)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サルマラリア / 流行分布 / 空間分析 / 時系列分析 / 媒介蚊 / 土地被覆・土地利用分析 / 気象パターン |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者(東城)が現地から入手した公衆衛生セクターのPKマラリア感染者数に関する統計・地理情報データに基づいて、Pkの空間疫学統計解析を進めて、広域的な流行分布を明らかにすることに取り組んだ。本研究チームでは、この研究に先立ちSato and Tojo et al(2019)において、Pk流行の分布と特定の土地利用・土地被覆の間の強い相関を見出 している。本研究では、上記の研究において用いたMODIS(Moderate-Resolution Imagin Spectroradiometer)や、それ以外の衛星画像解析による土地利用・土地被覆(LULC)分類結果と、降雨や気温などの分布を組み合わせて、機械学習・統計モデリングの手法を適用してサバ州全体のPk感染リスクの空間分布を可視化することを目指した(感染リスク地図)。分析の結果、サバ州におけるサルマラリアの流行には、特定の自然環境(土地被覆・土地利用)分布に連動した流行地の偏りが統計的に有意な形で確認された。特に研究対象地域を先行研究(Sato and Tojo et al., 2019)に比べてサバ州全体に拡張したことから、先行研究では見られなかった自然環境地域におけるサルマラリア流行に関するデータを多く得ることができた。この結果からは、サルマラリア流行が想定していたより多様な自然環境においてみられる可能性が大きいことが伺えた。また患者発生時期を広域的に分析した結果から、サルマラリアのアウトブレイクのタイミングが、サバ州全体で気象パターンと土地被覆・土地利用の差異の組み合わせを反映して、空間的に細かく異なることも明らかになった。これらを統合することによって、今後はサバ州におけるサルマラリア・アウトブレイクの空間的・時間的予想に向けた研究が進むことが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要において記載したように、流行分布の予測に関する地理情報学的・統計学的な研究に関しては概ね順調に進んでいる。一方で、研究開始当初予定していた1)媒介蚊の生態に関する研究、2)サルマラリア感染につながる住民のリスク行動に関する研究、の2点に関して遅れが見られている。原因は2020年度からのCOVID-19パンデミックによって海外渡航・現地研究の実施が困難であったことが挙げられる。また長く続いたパンデミックの期間により、現地調査再開の手続き(現地調査の許可申請)などにも遅れが続き、その間にカウンターパートの大きな人事異動なども重なり、現地調査の実施体制を大きく見直す必要が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況で記載した通り、現在現地調査の実施体制を大きく見直している最中である。1)媒介蚊の生態に関する研究チーム(分担者:星友矩)に関しては、研究実施のための現地協力者を再構成し、可能な限り現地での蚊捕獲調査を可能とするための準備を行っている。また2)サルマラリア感染につながる住民のリスク行動に関する研究(分担者:内藤大輔)に関しては、研究対象地域を変更して研究者本人が持つ現地協力者のネットワークを使った研究実施体制の準備を同じく調整中である。 現在、2)の研究準備として、罹患者の職業構成から見るマレーシア・サバ州におけるサルマラリア流行背景の地理的差異の分析を、研究概要の実績でも取り上げた公衆衛生セクターのPKマラリア感染者数に関する統計・地理情報データを用いて研究代表者が分析中である。サルマラリアの流行背景について、罹患者の職業構成を基に地理的な差異を調査・分析し、異なる地域でサルマラリアに罹患した人々の職業がどのように異なるか、また、その職業構成がサルマラリアの流行にどのように影響を与えているかをデータから明らかにし、サルマラリアの流行と地理的な要素との関連性に関する仮説を立てた上で、研究分担者(内藤)と共同で現地村落において聞き取り調査やGPSロガーを使った現地住民の行動圏調査を行うことで、上記仮説に関する調査データを収集する方針である。
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Research Products
(4 results)