2022 Fiscal Year Annual Research Report
視線入力インタフェース技術を用いた乳児の原初的道徳性の解明
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20H04495
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鹿子木 康弘 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 准教授 (30742217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英之 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 特任准教授(常勤) (30535084)
松田 剛 関西大学, 社会学部, 准教授 (70422376)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳児 / 道徳 / 視線 / 第三者罰 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の発達科学の研究から,乳児であってもいじめを止める正義の味方を選好するなどの原初的道徳観を有していることが報告されている (Kanakogi et al., 2017, Nature human behavior)。しかし従来の受動的な観察にもとづく乳児の研究手法では,間接的にしか原初的道徳性の存在は示唆されていなかった。つまり,乳児が真に道徳的に振舞うのか,乳児自身の道徳的行動そのものに着目した研究は現状では皆無であった。 そこで本研究では,視線入力インタフェース技術を用いた独自の参加型認知実験パラダイムを構築し,今まで方法論的な限界により検証不可能であると考えられていた乳児の他者に対する道徳的ふるまいを明らかにすることを目的とした。 令和2年度,3年度を通して,実験・論文執筆を行い,視線入力インタフェース技術を用いた独自の参加型認知実験パラダイムを構築に成功し,その成果をハイインパクトジャーナルであるNature human behaviorに掲載するまでに至った(2022年6月)。これは,学術的には①乳児は道徳的判断だけでなく道徳的行動も行うことを実証したこと,②より一般的には今までは計測できなった乳児の“意思決定を伴う行動”を計測できたという2点において非常にインパクトが高い成果だといえる。 令和4年度は視線によって罰するのではなく,視線によって援助行動を行うかどうかの検証をさまざまな可能性を考慮しながら多くの実験を行ったが,有意な結果は得られなかった。しかし,この試行錯誤した経験をもとに,今後も実験を続けていきたい。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)