2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel therapeutic strategies for therapy-refractory leukemia
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20H05699
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前田 高宏 九州大学, 医学研究院, 教授 (00791972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 拓司 九州大学, 大学病院, 助教 (20796213)
野上 順平 九州大学, 医学研究院, 助教 (60801751)
増田 豪 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 助教 (70383940)
仙波 雄一郎 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD) (90816787)
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Project Period (FY) |
2020-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | CRSPR/Cas9 / AML / ALL / BCL2阻害剤 / TP53 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的1:白血病難治性を規定する遺伝子異常と合成致死関係にある遺伝子の同定とその分子機構の解明 1-1. WT, Trp53 欠損、Xpo7 欠損, Trp53/Xpo7 両欠損 AML細胞株より、核、細胞質画分のタンパクを抽出し、mass specにより、Xpo7欠損により細胞内局在が変化するタンパクを同定した。さらに、Trp53野生型、Trp53欠損AML細胞におけるXPO7結合タンパクを同定し、CRISPRスクリーニングの結果と統合し、XPO7がNPATの局在を制御すること、TP53欠損AMLではXPO7がNPATの核外移動を促進することで、Trp53欠損AMLの増殖を抑制することを見出した。 1-2. IgH-CRLF2 再構成をもつヒトB-ALL細胞株と、異なる遺伝子背景のALL細胞株を用いて、全ゲノムスクリーニングを行った。IgH-CRLF2 ALL細胞の生存は従来からJAK2-STAT経路に依存していると考えられており、実際JAK2阻害剤の臨床試験が行われているが、その効果が疑問視されている。実際我々のスクリーニングの結果から、STAT5のリン酸化は認めるものの、STAT5A, STAT5BともにIgH-CRLF2 ALL細胞の生存には不必要であること、IgH-CRLF2ALL細胞の生存・JAK2阻害剤への反応性は強くRAS経路に依存していること、JAK2阻害剤とアダプター蛋白CRKLの欠損が合成致死に働くことを見出した。 目的2:白血病キードラッグに対する耐性機構の解明と、新規併用療法開発に向けた標的分子の同定 2-1. BCL2阻害剤不応性のAML細胞株を用いたスクリーニングにて、UBE2J2, UBE2k, MARCH5で構成されるユビキチン複合体が、NOXA 依存、非依存性のメカニズムで、BCL2阻害剤への感受性を制御することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り進行しており、今年度中に2-3報の関連論文を発表することを念頭に置いている。
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Strategy for Future Research Activity |
目的1: Xpo7 以外にもTrp53 変異と合成致死関係にある遺伝子を同定しており、2次スクリーンで検証後、各因子の分子作用機序を解明する。XPO7に関しては、PDXモデルでXPO7阻害のin vivoでの効果を検討するとともに、KCNETの患者検体を用いて、1細胞レベルでのXPO7発現とTP53を含めたジェノタイプとの関連を、10X Chromium、CyTOFを用いて明らかにする。さらに、各種の臨床データセット (BeatAML, TCGA, PeCan)を使用し、TP53 変異AMLにおける、XPO7の発現レベルと予後との関連を検討する。 目的2: 各薬剤の耐性因子、作用を増強する因子の作用機序、および機能的・臨床的意義を、目的1と同様に、分子生物学的手法、CRISPR/Cas9-SM,オミックス法(RNA-seq, mass spec)、患者白血病細胞での1細胞発現解析、PDX、臨床データセットを用いて解明、検証する。 目的3: XPO7と同様に、目的1,2で同定した因子に対して、変異型FKBP12タグ挿入株を樹立し、dTAG化合物添加によるタンパク分解を検証することでPOCとなるデータを創出する。DCPSに関してはエール大学との共同で、DCPS-PROTACを開発・評価中である。スクリーニングで同定した因子に結合するケミカルプローブを同定すべく、DNA-encoded library (DEL) を使用したスクリーニングを予定している。
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Research Products
(9 results)