2020 Fiscal Year Annual Research Report
成層圏以下における花粉と花粉を宿主とした微生物の鉛直分布の解明
Project/Area Number |
20J00226
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三木 健司 東京工業大学, 地球生命研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 成層圏 / バイオエアロゾル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、成層圏において浮遊している花粉と花粉を宿主とする微生物の存在を確認するとともに、微生物が花粉を宿主とすることで成層圏における生存可能性を高めるのかを議論するものであった。 本年度は実際に成層圏への装置のバルーン打ち上げを2回行った。装置は独自に開発したものであり、上空15kmにおいて粒子捕集部を成層圏に曝露することで粒子の捕集を開始し、上空30kmにおいて捕集部を装置内部に格納することで捕集を終えるよう設計した。実際の成層圏における実験においても計画通りの動作を確認することが出来た。打ち上げは徳島大学佐原理准教授、株式会社GOCCO.との共同運営で行い、ゴムバルーンを用いて成層圏まで打ち上げ、パラシュートにより地上へ帰還させる方法を取った。 今年度行った試験の結果は現在解析中であるが、今年度の研究活動により、個人レベルで行う成層圏粒子捕集実験装置の開発には成功したといえる。また、本装置の成層圏への打ち上げを利用して、花粉粒子並びにウイルス粒子を成層圏に打ち上げ、成層圏環境曝露実験も行った。この結果、極限環境を起源とするウイルスは成層圏環境でもDNAが壊れにくいこと、花粉は成層圏環境、UV-Cに曝露しても、形態を有意に変えないこと、保有するmRNAが壊れにくいことを発見した。 これらの実験に関して、成層圏における粒子の捕集実験技術の確立についてはJpGU2020並びに宇宙科学研究所主催のシンポジウム、大気球シンポジウム:2020年度において研究発表を行った。 また、シミュレーションを行うことにより、成層圏並びに中間圏において粒子が存在した場合、粒子を構成する成分と粒径によっては、太陽光による光泳動の効果が粒子の運動を決定する大きな要因となり得ることを示した。本研究は日本エアロゾル学会に英文論文として発表した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(5 results)