2021 Fiscal Year Annual Research Report
ラジオに聞く日米貫戦史―占領下日本(1945-1952)の放送から発展して
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20J00227
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
太田 奈名子 早稲田大学, 政治経済学術院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | ラジオ放送 / 占領期 / メディア史 / NHKアーカイブス / GHQ / 批判的談話研究 / データベース / リスクコミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染拡大が収まらず、渡米調査など出張を取りやめ、研究計画を変更した。(研究代表者の特別研究員中途辞退により、国外資料入手ができずに本研究を終えざるを得ないが、今後の研究課題にて資料入手を達成したい。) 春から夏までは、「敵はコロナか、みんなか―戦争メタファーから考えるリスクコミュニケーション―」名嶋義直編『リスクコミュニケーション―排除の言説から共生の言説へ―』(p.61-100、明石書店)を執筆した。歴史的メディア研究の知見を活かし、なぜ感染拡大をめぐり「コロナとの戦い」といった言い回しが用いられるかなど、戦争メタファーを用いる言説に隠された意図を分析した。 秋以降は、特別研究員奨励費(18J10250)を得て執筆した博士論文をもとにした、単著『占領期ラジオ放送と「マイクの開放」―支配を生む声、人間を生む肉声―』(慶應義塾大学出版会)の出版に注力した。NHK未公刊一次資料やGHQ文書を用いながら、批判的談話研究(CDS)の枠組みに依拠し、占領期ラジオ番組『真相はこうだ』『真相箱』『質問箱』『街頭録音』における民衆の声の分析を行い、「マイクの開放」の内実を検証した。ラジオからの声を、GHQによる支配構造強化の〈声〉と、占領下を生きる民衆間の共鳴を喚起した〈肉声〉として捉えなおし、アメリカの占領政策、天皇の戦争責任、戦後日本の民主化を再考した。 一般社会への発信として、第3年度分研究費を前倒しし、「占領期ラジオ放送・投書データベース」を構築した。データベースURLを、前述の単著に明記し、読者も投書分析に加わってもらえるよう工夫した。 また、同書出版社の広報ページ(note)に、「ラジオを聴きながら読む本 ―『占領期ラジオ放送と「マイクの開放」』のデジタル・アーカイブ公開―」を公開し、単著の注に明記したURLに、読者が簡単にアクセスできるよう工夫した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Remarks |
前者は、無料で一般公開されているオンラインデータベース。後者は、慶應義塾大学出版会が運営するnote内の一記事。
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