2020 Fiscal Year Annual Research Report
高齢化ニホンザル集団における高齢個体に社会的孤立化をもたらす要因の検討
Project/Area Number |
20J10390
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石川 大輝 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 比較行動学 / 発達 / 高齢化 / ニホンザル / 社会的孤立化 / 野猿公苑 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、特異的に高齢化が生じているニホンザル集団を対象として、高齢ニホンザルが社会的に孤立化する要因を検討する。霊長類のいくつかの種では、加齢に伴って社会交渉に費やす頻度の低下と、空間的に1個体で過ごすことの増える社会的に孤立化することが示されている。この社会的孤立化は、本研究対象種であるニホンザルにおいても確認されている。しかし、本研究対象であるニホンザル集団は特異的に高齢化が進んでいる集団であるため、高齢個体同士の社会交渉が生じることにより、高齢個体の社会的孤立化が生じないと可能性がある。本研究では、対象集団の高齢ニホンザルが実際に孤立しているのか否か、孤立化している個体の特徴は何か、高齢個体は若年個体と比較した際にどのように行動が変化しているのかを検討することを目的とした。 対象ニホンザル集団全体に対する、ニホンザルの主な社会行動である毛づくろい行動をの瞬間的な記録を行った。また同時に、一部の個体に対する個体追跡を行った。個体追跡時には連続観察を実施し、対象個体の活動量と社会交渉を記録した。 現時点で、行動観察によるデータ収集を行い、研究成果を国内外でのが学会において発表した。高齢の個体は若年の個体と比べて活動性が低下しているが、従来確認されているほどの孤立化は確認されなかった。しかし、新型コロナウイルスの流行に伴うフィールドワーク制限により計画通りのデータは収集されておらず、次年度に渡ってデータ収集を継続して行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの流行に伴うフィールドワーク実施制限のため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、研究成果の一部の論文執筆を行っており、フィールドワークを昨年度と継続して行う。また、並行して今後の分析方法の確定を行う。現在収集中のデータについては、収集完了後に学会発表を行い、論文執筆を行う。
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Research Products
(2 results)