2020 Fiscal Year Annual Research Report
超高速多次元多重記録技術による大容量ホログラフィックデータストレージの実現
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20J10441
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
米田 成 和歌山大学, システム工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | ホログラフィックメモリ / 光メモリ / ホログラフィ / 強度輸送方程式 / フーリエ縞解析 / 二値ホログラム / 圧縮センシング / 体積ホログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はホログラフィックデータストレージの大容量化に向けて(1)複素振幅分布の記録および検出(2)光波の相関性を活用した多重記録に関する研究をおこなった.また,複素振幅分布の検出に必要な(3)定量位相情報の復元方法について研究をおこなった.さらに,撮像素子を用いない多次元光情報の検出方法を実現するために(4)シングルピクセルイメージングの技術を応用する内容について研究をおこなった.(1)では,光波の複素振幅分布を取得するためにディジタルホログラフィの技術を応用する方法を提案した.提案手法の原理を数値シミュレーション・光学実験により検証した.原理検証の結果,振幅2値,位相4値の信号を誤りなく復元することに成功した.(2)では,ランダムな位相分布をもつ光波の相関性を利用した多重記録方法を提案した.提案手法の原理検証を光学実験によりおこない,有用性を評価した.数値シミュレーションにより,多重記録可能なデータ数の評価をおこなった.(3)では,強度輸送方程式を用いた複素振幅分布情報の取得に関する研究をおこなった.数値シミュレーションと光学実験により,一般的な干渉計測法では取得することが困難な2πの位相差を計測できることを示した.この研究内容はホログラフィックデータストレージ以外の技術へも応用が可能であるため新たなセンシング技術として論文を発表した.今後ホログラフィックデータストレージへ応用する際の課題について検討をおこなう必要がある.(4)では,システムに導入する際に重要な光学系の簡易化について検討をおこなった.さらに,測定数を低減する手法を提案し,測定数を四分の一に低減可能なことを実験的に示した. また,この提案手法により偏光情報の取得が可能であることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,ホログラフィックメモリの記録密度向上のために多次元光情報の記録・再生に成功した.また,多重記録による記録密度向上手法の創出に成功した.さらに,通常の干渉計測法では取得することが困難な位相差の検出方法を提案し,原理検証実験をおこなった.また,撮像素子を使用せずに多次元情報を取得するためにシングルピクセルイメージングを応用する手法を提案し,三次元偏光情報の取得が可能であることを実験的に示した. これらの成果を学術論文および国際学会にて発表している.以上から,現在までの達成度は,当初の予定以上に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,ホログラフィックデータストレージの高速化のために,高速変調が可能な空間光変調器の使用を目的として二値ホログラムの技術を応用し,多次元情報の取得をおこなう予定である.また,さらなる大容量化のために三次元空間情報の取得に関する研究をおこなう予定である.三次元空間情報の符号化には計算機合成ホログラムの技術を応用し,検出には圧縮センシングを応用し二次元情報から三次元空間情報を推定する方法を活用する予定である.
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Research Products
(20 results)