2020 Fiscal Year Annual Research Report
社会経済的に厳しい学校における教師のワークの変容:働き方改革の流れの中で
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20J10675
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 真美 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 教師の仕事 / 校区の社会経済的背景 / 教育改革 / 保護者 / 学校―家庭連携 / 加配教員 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、社会経済的に厳しい背景を持つ校区における教師の仕事を主題とし、近年の教育改革(教師の働き方改革)との関連を探る研究である。長年にわたるフィールドワークを生かして、①働き方改革が学校現場に与える影響とそのプロセス、②働き方改革による教師の職務内容の変化、③学校の支援の変容とその帰結、という3つの課題の解明に取り組んできた。 1年目にあたる令和2年度は、当初予定していた、各研究パートにおけるデータの収集と分析を実施した。新型コロナウイルス感染症の影響により年度の前半はデータの収集を行うことができなかったが、大学の指針に従って夏頃からフィールドワークを再開した。また、3月までに教師や地域住民等への半構造化インタビューを15件ほど実施し、特に研究課題の①・②の解明に取り組んだ。採用までの準備期間と以上の研究活動を通してデータの収集・分析、論文執筆を行うことができた。今年度の主な研究実績は下記の2つである。 ・「児童生徒支援加配教員の仕事の検討:関西の小学校における終日観察から」, 日本教育社会学会 第72回大会(2020年9月, オンライン) ・「教師の保護者への共感的な理解を支える要素:厳しい社会経済的背景を持つ小学校の事例から」『教師学研究』第24巻第1号,pp.1-10. 最終年度となる次年度は、収集したデータの分析と考察を行い、そしてこれまでの内容を総合的にまとめていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、当初予定していた研究計画からは多少遅れをとっているものの、論文投稿や学会発表は十分に行なった。具体的には、世界教育学会(8月・延期)および教育社会学会(9月)での発表、教師学学会(5月)および教育学会(9月)、学内紀要(2月)、学校教育学会(3月)への論文投稿である。ただし、新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け、データ収集および分析が予定通り進んでいない。これらのことを総合的に勘案し、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目はデータの分析と考察を継続し、さらにそれぞれのパートで解明した内容の総括を行う。本研究は、当初「働き方改革」の教師の仕事に対する影響に着目していたが、新型コロナウィルス感染症拡大による社会情勢の急変も無視できない大きさになっている。これらのことを十分に鑑みつつ、コロナ禍前後のデータを分析していくことが必要となる。
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Research Products
(4 results)