• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2020 Fiscal Year Annual Research Report

大地震に対してもレジリエンスを有する次世代の高耐震化住宅の実現

Research Project

Project/Area Number 20J11031
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

角田 功太郎  京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2020-04-24 – 2022-03-31
Keywords木造住宅 / レジリエンス / 高耐震化 / 地震時応答
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、大地震に対してもレジリエンスを有する次世代の高耐震化住宅の実現に向けて、これまでに実施した被災地調査や実大振動台実験の結果を踏まえて、数値解析的手法により木造住宅の耐震性能に関する検討を実施した。以下に研究概要を要約する。
・振動台実験における実大住宅試験体の倒壊挙動の追跡
・熊本地震により被災した住宅の倒壊挙動の推定
・住宅の浮き上がり挙動に関する再現精度の向上
高耐震化木造住宅の実現に向けて、まずは解析プログラムを用いて、既往の振動台実験における実大住宅試験体の倒壊挙動の追跡を試みた。ここで倒壊挙動追跡に必要な基本的な情報を収集し、解析の精度向上を目指した。ここで得られた知見を基に、熊本地震により被災した実在の住宅の倒壊挙動の追跡も試みた。入力地震動の特性、解析モデルの重量、壁の耐力をパラメータとした解析を実施し、実際の倒壊挙動に寄与した原因とその影響度を統計的に整理した。結果、住宅の倒壊挙動には、実際に入力された地震動の特性などの不確定要素の影響を大きく受けることが明らかとなった。査読付き論文としての投稿にまでは至っていないものの、国内学会(日本建築学会)の年次大会にて成果を報告した。
加えて、解析手法の精度向上と分析技術の習得に努め、木造住宅の地震時浮き上がり挙動(ロッキング挙動)に関する研究を実施した。実験結果との比較を通し、解析的手法によりこれまで困難であった地震時におけるこの挙動が再現できることを明らかにした。また、柱脚部の接合条件がこの挙動に大きく寄与し、地震に対する抵抗機構として重要な役割を果たすことも明らかにした。この研究内容を英文の査読付き論文として取りまとめ、米国の学術誌(Journal of Structural Engineering, American Society of Civil Engineers)に投稿し、掲載された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

指導教官や共同研究者との協議を常に怠らず、研究の進捗に関して適切な報告書を作成しながら研究を進めてきた。昨年度の進捗状況をはかる指標として、学術論文の執筆に関しては、英文の査読付き論文1編を筆頭著者として投稿した。研究発表に関しては、国内学会の梗概1編を執筆し口頭で発表した。
昨年度だけでも木造住宅の枠に収まらない様々な構造に関する実験等に参加し、その準備から事後のデータ整理および解析、報告書の作成を担当した。これらの実験の参加によって、広く木質構造全般に関する知識を得るとともに、またこれらの経験がとりわけ自身の研究対象である動的解析手法の精度向上と分析技術の習得に大きく寄与した。

Strategy for Future Research Activity

同じ耐震基準に基づいて建てられた住宅であっても、地震時には損傷の有無や程度が違ったり、倒壊するものとしないものが散見される。高耐震化木造住宅の実現に向けて、まずはこの地震時応答のばらつきについて定量的に把握する必要がある。そこで、これまでに実施された実験を基に、住宅の耐震要素レベルでの応答のばらつきを把握し、ばらつきを与える原因を明らかにする。
また、ここで得られた知見をもとに、要素レベルではなく実大住宅において地震時応答がどの程度ばらつくのか、解析的手法により推定する。約50棟の既存住宅をモデル化・時刻歴応答解析を実施する。劣化による耐力の低下なども考慮し、想定される大地震に対しても安全・安心に住まうことのできる木造住宅の耐震性能を統計的に評価する。
得られた研究成果は、英文で原著論文としてとりまとめ、米国土木学会(ASCE)の学術誌に投稿し報告する。また前年度の成果とも併せて日本建築学会大会および日本木材学会大会にて発表する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Seismic Testing and Analysis of Rocking Motions of Japanese Post-and-Beam Construction2021

    • Author(s)
      Sumida Kotaro、Nakagawa Takafumi、Isoda Hiroshi
    • Journal Title

      Journal of Structural Engineering

      Volume: 147 Pages: 04020323

    • DOI

      10.1061/(ASCE)ST.1943-541X.0002901

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 2016年熊本地震で倒壊した木造住宅の挙動追跡2020

    • Author(s)
      難波宗功
    • Organizer
      日本建築学会

URL: 

Published: 2021-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi