2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20J11108
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
原 崇徳 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 分散型経路選択 / Wardrop均衡 / 道路網 / 時間依存フロー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,道路網におけるユーザの道路の利用順序を考慮した交通量の推定とそれに基づく複数エージェント型の分散型経路選択方式を中心に研究を遂行し,その成果を国際会議で報告し,さらにその発展版を論文誌に投稿した. 従来の混雑ゲームに基づく交通量の推定は,ユーザの道路利用のタイミングを考慮しておらず,ワーストケースとして見積もられていた.今年度の研究では,複数ユーザによる道路の利用順序を考慮した交通量の推定と推定結果に基づく複数エージェント型の分散型経路選択方式を提案した.具体的には,提案方式は,各道路への流入・流出時の時刻を離散時間としてみなし,着目しているユーザに影響を与えるユーザ集合を順序リストとして定式化する.このとき,移動時間に基づく経路選択と交通量は互いに依存するため,流入・流出時刻は混雑を考慮しない移動時間から算出している.なお,このような単純な仮定においても提案方式は既存方式と比較して,十分な性能改善を確認している.次に,ユーザによる道路利用の時間依存関係を考慮した上で,最急降下法を利用し,Wardrop均衡に導く分散型経路選択方式を設計した. 以上を踏まえ,数値実験およびシミュレーションから提案方式の有効性を確認した.具体的には,人工網と実道路網それぞれに対してシミュレーションより,提案方式は既存方式と比較して,実旅行時間をそれぞれ5.1%,2.5%改善できることを確認した.この結果は推定精度の向上が要因である.さらに,提案方式は指数関数的に均衡状態に収束することも確認しており,収束率はユーザ数と経路候補数に反比例することも数理的に分析した. 得られた成果を国際会議で報告し,Best paper awardを受賞した.また,この発表に基づいた発展版を論文誌として現在投稿中である.研究の進捗状況は順調であるが,利己的最適ルーティングへの応用の課題が残されている.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Remarks |
研究者が作成した業績をまとめたWebページとなります.
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Research Products
(2 results)