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2020 Fiscal Year Annual Research Report

ミノウミウシにおける盗刺胞機構:ミノおよび刺胞嚢の形成

Research Project

Project/Area Number 20J11297
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

戸川 優弥子  筑波大学, 生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2020-04-24 – 2022-03-31
Keywordsミノウミウシ / 盗刺胞 / ミノの形成過程
Outline of Annual Research Achievements

予備的な形態観察の結果から、ミノ列の最後部尾部側がミノ形成において重要な領域であることが示唆されていた。それに加えて、グローブ構造の両端においてもミノ原基が出現することが判明した。これらの知見に基づき個体の尾部およびグローブ構造両端のミノについて組織観察を実施した。また刺胞嚢の形成について詳細な時系列を把握するためにミノの先端を切除し、人為的に刺胞嚢の再生を誘導し、組織観察を実施した結果、詳細な形成過程を記載することができた。さらに刺胞嚢について透過電顕による観察を実施した結果、盗刺胞細胞の細胞質が小胞により満たされていること、さらに盗刺胞細胞に取り込まれた刺胞の周囲には顆粒が集積していることが明らかになった。小胞の内部に特筆すべき構造は見られなかった。顆粒は刺胞の周りに特異的に集まることから刺胞の取り込みまたは維持に関わっている可能性がある。
ミノおよび刺胞嚢の形成や機能に関連する遺伝子の探索および機能解析のためムカデミノウミウシのミノ全体、ミノ先端部(刺胞嚢領域)、ミノ基部(消化腺 領域)、頭触角・口触角 (対照)の試料を調製して RNA-seq を実施し、遺伝子カタログを作成した。さらに解剖により単離した刺胞嚢とそこから絞り出した粘液から抽出したタンパク質について質量分析実施し、RNA-seq データを元にアミノ酸配列を決定した。RNA-seq データの解析により、ミノや刺胞嚢で特異的発現または高発現している候補遺伝子群を探索し、リストアップした。 さらにプロテオーム解析により特定されたタンパク質のリストと照らし合わせて、刺胞の特異的な取り込みに関連しそうな候補遺伝子を複数ピックアップすることができた。次年度はミノおよび刺胞嚢の形成に関わる遺伝子を探索し、今回特定された候補遺伝子と併せて発現局在の解析、機能解析を実施する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ミノの形成過程の方は手法がほぼ確立され、あとは追加データをとって補完するだけとなった。形成過程観察を行う中で、ミノ切除による人為的な再生誘導実験が非常に有用であることが明らかになった。したがって、通常時におけるミノの発現遺伝子解析はすでに完了していたが、再生誘導実験によって形成時期を制御したものについてもさらに解析を実施した方がより目的にかなうデータを入手することができると考えられる。計画では本年度で遺伝子カタログの作成までは完了している予定であったが、さらに追加データをとる必要が出たため少し計画に遅れが生じている。これについては次年度で早急に着手する予定である。

Strategy for Future Research Activity

ミノの形成過程の方は手法がほぼ確立され、あとは追加データをとって補完するだけとなった。形成過程観察を行う中で、ミノ切除による人為的な再生誘導実験が非常に有用であることが明らかになった。したがって、通常時におけるミノの発現遺伝子解析はすでに完了していたが、再生誘導実験によって形成時期を制御したものについてもさらに解析を実施した方がより目的にかなうデータを入手することができると考えられる。計画では本年度で遺伝子カタログの作成までは完了している予定であったが、さらに追加データをとる必要が出たため少し計画に遅れが生じている。これについては次年度で早急に着手する予定である。また各種解析により特定された遺伝子群の中から、ミノや刺胞嚢の形成に関与する可能性のある既知の遺伝子を候補遺伝子としてリスト化し、In situ hy bridizationなどの手法を利用して発現局在を確認する予定である。 またそれらの機能解析についてはRNAiの予備実験を行い、適切な条件(dsRNA、siRNA、投与方法、投与のタイミング等)を検討する必要があるが、これを実施するための個体数を関東近辺で確保することが難しいため他地域に赴き採集を行う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ミノウミウシにおける盗刺胞細胞cnidophageの組織学的解析と発現遺伝子探索2020

    • Author(s)
      戸川優弥子, 森山実, 深津武馬, 三浦徹
    • Organizer
      日本動物学会第91回大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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