2021 Fiscal Year Annual Research Report
中世末から近世初頭における書誌学的モデルの構築―『天正記』の基礎的研究を中心に
Project/Area Number |
20J11433
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
竹内 洪介 北海道大学, 文学院, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
|
Keywords | 書誌学 / 日本近世文学 / 豊臣秀吉 / 料紙 / 歴史学 / 軍記 / 実録・読本 / 写本 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、新型コロナウイルスの影響で予定していた海外調査・寺社調査が実施できなかったが、本研究で構築する中世末から近世初期の書誌学的モデルの核となる『聚楽行幸記』(『天正記』の一編)の研究がほぼ完了し、その諸本整理と書誌学的な検討の成果を『アジア遊学』262号に発表することができた(「『聚楽行幸記』の写本学」(『アジア遊学』第262号、2021年11月)。当該稿には書誌学・歴史学の専家から寄せられたコメントも掲載されており、本研究の達成点および今後の課題が明確になった。社会情勢により、『天正記』全編の原本資料を対象とした悉皆調査ができなかったのは残念であるが、今後の課題としたい。 一方、『聚楽行幸記』が近世期に伝播した多数の秀吉の伝記的作品群にほぼ全文に近い形で引用されることに注目した結果、昨年度は近世後期の『天正記』関連作品群である『太閤真顕記』の諸本についても本研究の書誌学的モデルを近世後期の文学研究に応用して新たな知見を得ることができていた。今年度もこの方面において研究を進展させることに注力し、『太閤真顕記』の後続作品である『絵本太閤記』を題材にして、新たに論文2本を発表することができた(「屏風になった『絵本太閤記』」(中根千絵編『合戦図 描かれた〈武〉』所収、勉誠出版、2021年12月)および「「幕末の出版検閲と『絵本太閤記』の再版―幕末絵本読本の人名表記をめぐって―」(『国語国文研究』第158号、2022年2月)。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)