2021 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスによるてんかん発作誘発における内側前頭前野ノルアドレナリンの役割
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20J20670
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
笹瀬 人暉 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 内側前頭前野 / ノルアドレナリン / ストレス / てんかんモデル / 神経細胞 / ホールセルパッチクランプ記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
一部のてんかん患者ではストレスがてんかん発作誘発の要因となることが報告されている。本研究では、前頭葉の一部として知られる内側前頭前野(mPFC)において、ストレスによって遊離が亢進するノルアドレナリン(NA)がてんかん発作の誘導に関与する可能性について検討した。これまでに、in vitro脳スライスパッチクランプ記録法により、mPFC Ⅴ層錐体細胞においてGABAA受容体拮抗薬のピクロトキシン存在下で誘導されるてんかん様活動の発生が、アドレナリンα1受容体を介したNA神経伝達により促進されること、また、in vivoマウス個体において、NAのmPFC内局所投与がアドレナリンα1受容体を介してピクロトキシン誘発てんかん発作の誘発を促進することを見出している。 本年度は、初めにin vitro脳スライスパッチクランプ記録法を用いて、mPFCⅡ/Ⅲ層錐体細胞から記録を行い、NAによりてんかん様活動の誘導を促進することを見出した。したがって、NAはmPFCⅤ層錐体細胞のみでなく、幅広い層においててんかん様活動の誘導を促進することが明らかとなった。 次に、in vivoマウス個体において、実際のストレス負荷によってもピクロトキシン誘発てんかん発作の誘発を促進することができるのかを調べるために、拘束ストレス負荷を行ったマウスにピクロトキシンをmPFC内局所投与したところ、拘束ストレス負荷はてんかん発作の発生潜時を短縮し、これはアドレナリンα1受容体拮抗薬のmPFC内局所投与によって抑制された。以上の結果より、ストレス負荷によるmPFCでのNA神経伝達の亢進が、アドレナリンα1受容体の活性化を介して、mPFCを焦点とするてんかん発作の誘導を促進することが明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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