2021 Fiscal Year Research-status Report
Religiousness in academic studies: Cases in practical ethics and thanatology
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20K00068
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池澤 優 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (90250993)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 宗教学 / 死生学 / 環境倫理 / 生命倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も新型コロナウイルス感染症の流行が収まらなかったため、2020年度から連続して研究対象とする資料の収集と分析に注力した。本年度、特に努力したのは環境倫理に関する資料の収集である。というのは、研究を開始してから環境に関する論調が明らかに変わりつつあるように思われるからである。今までの環境倫理の流れを大雑把にまとめるならば、初期の段階の人間中心主義と非人間中心主義の対立の時代が先ずあり、次に環境正義など、社会構造を問題とする段階に移行したと言える。最近は気候変動、気候危機、人新世(アントロポセン)という概念の下で、環境との関係においていかなる生活を営むべきであるかという問題関心が強くなっているように思われる。その議論の中における宗教性をいかなる視点から分析すべきであるかは難しい問題であるが、新しい視点を開拓すべく、努力を続けていきたい。 その他の生命倫理、死生学の領域においても資料の収集と分析を続けた。台湾の死生学における葬送を扱った研究成果はもうすぐ出版される予定である。台湾の死生学において重要な柱になっているのは臨床(特に看取り)と葬送の二つであり、後者が死生学で重要な課題となったのは、1990年代に葬送業の近代化がなされ、企業型の葬送業者が現れて、彼らが伝統的な葬送業と差異化するために、殯葬礼儀師(ヒューネラル・ディレクター)の制度化を求めたためであった。研究成果の論文は礼儀師の代表である陳継成という人物の葬送観と彼が実際に行っている葬儀を分析したものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症のために海外での資料収集・調査が困難であることを除けば、概ね順調と言って差し支えないと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
可能であるならば、2022年度は海外での調査を行いたい。特に東アジアにおいて死生学が最も整備されている台湾での調査は是非行いたい。但し、これについては外的な要因によって左右されるので、困難であれば、本年度の同様の研究を継続する。
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Causes of Carryover |
判断は難しいのだが、仮に2022年度に海外調査が可能になった場合、国内調査だけの場合よりも多くの資金が必要になるため、少し余分を残した。引き続き海外調査が困難である場合は、資料購入代として使用する。
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Research Products
(1 results)