2021 Fiscal Year Research-status Report
人口減少社会における仏教寺院の実態研究―多宗派のブロック調査
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20K00081
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Research Institution | Suzuka University |
Principal Investigator |
相澤 秀生 鈴鹿大学, こども教育学部, 研究員 (90868366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川又 俊則 鈴鹿大学, こども教育学部, 教授 (40425377)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 仏教寺院の実態 / 人口減少社会 / コロナ禍 |
Outline of Annual Research Achievements |
数量的(質問紙)調査による仏教寺院の実態研究を進めるうえでの基礎となる調査票の作成を完成させ、寺院の兼務や無住化の進む甲信越・東海・近畿地方に所在する寺院約3万4千ヶ寺のうち、多段無作為抽出による3,000ヶ寺を対象として調査票を7月に送付して調査の協力を求めた(返送期限は7月中)。 その結果、572票を回収した(返送期限を超過しても、8月1日から9月15日までに行なわれた調査票のエラーチェック期間に到着した個票も含む。回収率は19.1%)。うち、38票が無効票(本調査に「同意しない」との回答があった個票、一般寺院とは異なる本山クラスの個票など)で、有効回答数は534票である(有効回答率は93.4%)。 本調査は特定地域に焦点をあてたものであるが、『宗教年鑑(令和2年度版)』によれば、日本の仏教系の宗教団体は76,970団体で、これを母集団としたサンプル調査(信頼水準95%、許容誤差5%)を実施する場合、必要なサンプル数は383票となる。甲信越、東海、近畿の母集団は約34,000ヶ寺で、必要なサンプル数は380票程度であるから、本調査では特定地域に限らず、全国の仏教寺院一般の実態を分析するのに必要なサンプル数をひとまず確保できたといえる。 調査票のデータ集計を12月中に完了し、1月以降、月一回のペースでオンラインによる検討会を開催した。検討会では、データ集計に基づく分析作業を進め、来年度の成果報告(学会発表および報告書刊行)に向けて準備を進めている。本事業は人口減少社会における寺院の実態に注目したものであるが、調査内容にはコロナ禍前後の運営状況を尋ねる設問あるため、その影響の程度をうかがい知るための貴重な資料となろう。 なお、本年度もコロナ禍により、質的調査(フィールドワーク)は見送り、最終年度となる次年度の実施に向け、調査対象地や調査期間、調査内容の検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多宗派の仏教寺院の調査を行なううえで必須となる調査フォーマットを完成させ、本事業の最大目標である数量的(質問紙)調査を、年度内に実施することができた。 ただし、それを補完するための質的調査(フィールドワーク)をコロナ禍により断念せざるをえず、来年度に実施する方向で調整を行なっている・
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Strategy for Future Research Activity |
数量的(質問紙)調査に基づく分析は、メールまたはオンラインによる検討で順調に進んでおり、来年度は対面による検討でさらに掘り下げた検討も行ないたい。 一方、質的調査(フィールドワーク)は、これまで未実施のままであるため、来年度にぜひとも実施したいところではあるが、コロナ禍の影響が大きく、実施の判断に見通しをつけることが難しい。状況次第では数量的調査の結果のみをもって成果報告とせざえるをえないだろう。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、対面会議、質的調査(フィールドワーク)が実施できなかったため、剰余が生じた。この分を来年度分として請求し、対面会議、質的調査を実施して成果報告の充実化を図るものとする。
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Research Products
(5 results)