2020 Fiscal Year Research-status Report
Theosophy in the post-WWII Japan : the development of occultism and Theosophy
Project/Area Number |
20K00090
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
吉永 進一 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (90271600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GAITANIDIS IOA 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 助教 (90715856)
大澤 絢子 大谷大学, 文学部, 研究員 (50816816)
荘 千慧 神戸女子大学, 文学部, 講師 (50711123)
栗田 英彦 佛教大学, 公私立大学の部局等, 非常勤講師 (10712028)
大道 晴香 國學院大學, 神道文化学部, 助教 (00881252)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オカルティズム / 神智学 / 終末論 / 三浦関造 / 近代ヨーガ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はコロナ禍のために対面の研究会や図書館を利用しての新資料の入手も困難になり、第一にオカルティズムという西洋近代の文化・宗教史に基づく用語が日本近代に応用できるのかどうかという問題と、第二に戦中から戦後の日本のオカルティズム史についてという、神智学にまつわる課題が中心となった。 前者については、吉永進一が東北大学国際日本研究講座・公開講演「近代日本における「オカルティズム」研究の可能性」(6月26日)について、その可能であることを論じ、さらに後者については本科研の主催で、以下の三回の研究会を行った(以上、いずれもzoomでの開催)。発表者と題目は、吉永「空飛ぶ円盤とカタストロフィ」(11月28日)、同「世界平和から心霊まで」(12月20日)、同「日本のピラミッドと超古代の夢」、ヤニス・ガイタニディス「出版スピリチュアリティ―精神世界の出版社と翻訳者」(2021年1月23日)である。これらの研究会で、一九三〇年代から戦後の円盤コンタクティに続くアメリカのメタフィジカル宗教が戦後日本の「オカルティズム」に与えた影響の範囲、戦中の皇道主義へ流れ込んだ竹内文献などの偽史信奉者たちの戦後への連続性、そして一九七〇年代以降、メディア宗教としてのオカルティズムがどう展開したかという点について意見交換と情報共有ができた。 さらに本科研共催の研究会「戦後のオカルト流行と『日本神学』」では、研究分担者の栗田は「日本神学連盟と関口野薔薇」(2021年2月28日)で戦後日本のヨーガについて発表し、分担者の大澤は、第1回「プラクティスの近代」研究会(6月14日)で「戦前期における三浦関造の宗教言説とアメリカ体験」、大道は怪異怪談研究会(主催)のシンポジウム「地域文化としての怪異怪談」(9月5日)で「「キューピッドさん」は怖くない?」と題して中岡俊哉を中心に発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対面での研究会と比べて、zoomでの研究会はどうしても意見交換が円滑にいかず、また当初の予定であった竜王会の機関誌の入手や目次とりなどの作業もかなり遅れている。その一方で、ひとまず現状の研究を振り返り、オカルティズムという用語法についての考察や神智学をとりまく戦後オカルティズムの諸相について改めて考察する機会を得たことは、プロジェクト全体には好結果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定のように、竜王会の機関誌の入手とその誌面について調査を進めたい。さらに、本年度、大澤が発見した三浦関造が第二次大戦中、上海在留時代に出版した英語パンフレットによって、その伝記は大きく見直さざるをえなくなっている。おそらくは在上海の欧人への政治工作に絡む活動と思われるが、その背後にどのような人脈があったのか、あるいは上海で欧州出身の神智学徒と関係があったのかどうかなど、上海時代についてさらなる研究が必要かと思われる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のために、対面の研究会や調査での旅費が必要なかったこと、また、研究に必要な書籍が手に入らなかったことなど大きな要因である。来年度に関しては、書籍を含む物品の購入に用いる予定である。
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Research Products
(2 results)