2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K00312
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安藤 宏 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (30193113)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 太宰治 / 自筆資料 / デジタル化 / 自分情報学 / 文学館 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度はコロナ禍に伴う社会状況の変化により、前年度同様、出張に伴う情報交換、協議がいちじるしく制限された。その中で、21年11月6日に富山市の高志の国文学館にて講演「太宰治と志賀直哉」を行い、同館で開催されていた「太宰治展」に関し、学芸員と交流、情報交換を行い、また同年11月12日に北海道北見市にて東京大学文学部公開講座「「近代小説」の誕生」において太宰治の文体ととりあげるたど、最低限の活動は行うことができたものと考える。 一方で、出張の制約のある中で、東京大学出版会と協議し、継続的に準備を進めていた研究書、『太宰治論』上梓のための作業に専念した。その成果として、2021年12月に同書を刊行することができた。全1184頁、全43章から成り、40年間の研究成果を一書にまとめたものである。同書においてはこれまで調査してきた太宰治の自筆資料が数多く分析の対象になっており、その所在の情報に関する最新の調査結果が記されている。また、デジタル化された資料の研究への応用の、一つのモデルとして、人文情報学のあり方への提案になりえているものと考える。 ちなみに同書は2022年2月11日付「東奥日報」文化欄で紹介され、また同年2月20日付「読売新聞」の書評に取り上げられたほか、同年3月10日付「読売新聞」文化欄に特集記事にされている。当該書には本科研の成果であることが記されており、本研究の成果として認知されたものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のために出張に誓願があり、充分な情報交換を行うことができなかったが、研究書『太宰治』をまとめ、刊行することができたので、研究成果の発信は達成できたものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
少しずつ社会が平常に戻りつつあり、また、22年度前期は大学で特別研究期間を取得することができたので、研究書『太宰治論』の刊行成果を元に、津軽、山梨、神奈川などを中心に研究調査を進めたい。
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Causes of Carryover |
社会情勢のため、出張経費に関わる支出がなかったため。
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Research Products
(2 results)
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[Book] 太宰治論2021
Author(s)
安藤宏
Total Pages
1184
Publisher
東京大学出版会
ISBN
978-4-13-080068-6