2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K00334
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
木越 俊介 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (80360056)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 奇談 / 地誌 / 名所図会 / 羇旅漫録 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍の影響により、研究計画の大幅な見直しを迫られた。本研究の中心に据えていたフィールドワークが全く行えず、この点は当面中断せざるを得なくなった。そこで、可能な限り机上で行える研究に注力することとした。具体的には、1)『羇旅漫録』諸本の本文比較(大浄本の本文比較を中心に)、2)寛政期以降に刊行された名所図会における奇談的な要素の有無の検証、3)寛政期以降に刊行された諸国奇談ものと名所図会との執筆態度や内容の傾向の比較、を行った。デジタル公開されている資料も活用しながら文献を精査し、それぞれ中間的な報告として、1)アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校との国際共同研究会(6月)、2)絵入本ワークショップ12(9月)、3)国際研究集会「名所」の形成とデジタル文学地図(12月)において、いずれもオンラインで発表した。いずれも、量的な調査をともなう情報量の多い研究対象を扱ったが、発表を通して今後の研究の課題も明確となり、整理することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画から、今年度は実地や文献の調査を断念し、優先順位を入れ替え、自宅もしくは勤務先における可能な範囲での文献講読・調査に絞って研究を進めた。 その制約の中での成果であるが、諸本の整理ならびにオンラインを使用しての網羅的な文献の調査に切り替え、4年間の中でいまできることに注力した結果、相応の研究を進めることができた。 以上のことから、本研究は、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目もフィールドワークと海外調査は困難と思われるので、これらは3年目以降に集中して行うこととして、まずは1年目で行った発表を活字化することに力を注ぎたい。上記2)と3)については、まとめて一書とすることで計画を進めている。また1については、より網羅的な調査結果をまとめて、秋頃の学会で発表することとしたい。また、これらと平行して、『羇旅漫録』の校注を集中して行うこととする。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により、研究計画の大幅な見直し(特に旅費について)を迫られ、本研究の中心に据えていたフィールドワークが全く行えず、さらに海外所蔵資料の調査も実施不可能となり、この点は当面中断せざるを得なくなったから。上記調査は3年目以降に集中して行うこととする。
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Research Products
(2 results)