2023 Fiscal Year Research-status Report
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20K00359
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Research Institution | Yonago National College of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 健 (渡邊健) 米子工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40760525)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 鳥取の和歌 / 近世後期 / 地方歌壇 / 類題和歌集 / 国学と和歌 / 資料調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度(2023年度)は当初提出した研究実施計画に基づき、近世後期の鳥取の和歌に関して、1本の研究発表を行い、また鳥取地域の和歌資料の中から1点を翻刻・紹介した(下記①②。題目や発表媒体等は「10.研究発表(令和5年度の研究成果)」を参照、以下同じ)。 以下、当該年度の研究の成果の内容や意義等について述べる。①鳥取県米子市の旧家・鹿島家の和歌資料をもとに、幕末の和歌の全国的展開と地方歌壇の隆盛の様相を調査・考察した成果について研究発表を行った。鹿島家は幕末頃米子の文化メセナ的役割を担い、様々な階層の人々が集い盛んに歌会・歌合が行われていた。同家の和歌資料は嘉永~安政頃の米子歌壇の歌人と活動の実態を伝えるものであり、近世後期和歌の研究に資するところが大きなものである。この発表では上記の内容につき報告し、些かの私見も提示したが、質疑応答の際には多くの質問や意見をいただき、好結果を得ることができた。 ②『類題稲葉集』の翻刻作業を進め、その冬部の翻刻を紹介した。同集は、近世後期の鳥取の歌人をほぼ網羅した大部の歌集であり、この時期の鳥取の和歌の全体像を知る基礎的資料であり、その活字化は私が初めて行っているが、今回でこの資料の半分までの翻刻を行い、学会に紹介することができた。 当該年度は、過去3年にわたるコロナ禍での自粛・行動制限がおおむね無くなり、学会での研究発表を行うことができた。また、依頼を受けて来年度、学会誌に投稿する論文のため、夏季休業中に山陰歴史館・鳥取県立図書館に出張し、両館が所蔵する資料についてそれぞれ調査・撮影を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
近世後期の鳥取の和歌資料の中、米子地域の歌壇に関する調査や研究に、当初の計画よりも時間がかかり、鳥取の国学者歌人の詠歌集成・伝記調査や、『類題稲葉集』の調査・研究に割く時間が減ったこと、また、業務多忙により、資料調査や参考文献の収集が遅れたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
Aこれまでの調査・研究の成果を踏まえ、幕末の米子歌壇の活動の実態と、全国的な類題和歌集との関わりについて考察した内容を2023年7月9日の日本文学協会研究発表会で公表したが、その成果を論文として発表する予定である。また、B鹿島家の主要な和歌資料のうち、未だ活字化されていない「鹿島重正和歌詠草」の調査を進め翻刻、紹介する。C『類題稲葉集』の諸本調査を行うとともに解読を進め、その翻刻作業を下巻まで終了させる。 BCは本来21-22年度に行う予定であったが、Aの発表の前段階としての調査・研究が、当初予定していたよりも時間を要するものであったため、24年度に実施することとしたい。 なお、これまでの研究の進捗がやや遅れたことを考慮し、当初2023年度(4年目)の研究実施予定としていた『類題稲葉集』の成立過程研究については、必ずしも年度内に成果発表を目指さず、同集の翻刻作業の完成、諸本調査の終了を目指すこととする。
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Causes of Carryover |
研究を遂行する上で必要な資料の紙焼き写真を業者に依頼して印刷し、製本する作業が進んでいないため、その分の予算を次年度に繰り越して使用する。また、資料調査・撮影目的での長期出張ができていないため、その分の予算を次年度に繰り越して使用する。
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Research Products
(2 results)