2023 Fiscal Year Research-status Report
Ahabs, or Aspects of the Posthuman
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20K00390
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小林 正臣 琉球大学, 教育学部, 准教授 (30404552)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 『白鯨』 / アクターネットワーク理論 / 化石鯨 / 隔時性 / 思弁的実在論 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、ハーマン・メルヴィルの代表作『白鯨』に関する論文"The Sciences and Beyond: On Nonhumanity in Moby-Dick"を日本アメリカ文学会の全国誌The Journal of the American Literature Society of Japanにて発表した。本論文において、『白鯨』における新たなアプローチを追求するために、社会科学と自然科学からアクターネットワーク理論とクジラ学を援用しながら、学際的研究を行った。また、上記論文に関連する活動として、招待発表「人類以前と人類以後―『白鯨』第104章「化石鯨」における隔時性」を日本英文学会九州支部第76回大会にて行った。上記の理論や学問分野に加えて、人文学としての哲学から思弁的実在論を援用しながら、新たな『白鯨』論を試みた。本発表の要旨はProceedingsとして学会ホームページにも掲載されている。最後に、『白鯨』研究の延長としてのポストヒューマン研究として、SF作家テッド・チャンによる代表作「あなたの人生の物語」および『ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル』に関する論文"Work in an Age of Post-Work"を九州アメリカ文学会の会誌に発表した。この論文において眺望されるポスト労働社会における労働観は、今後のポストヒューマン研究において重要な位置を占めることが予想される。そして、ポストヒューマン史観を再構築する際には、『白鯨』からとチャンの作品に至るまでの文学史の再構築が可能となるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、複数の論文の執筆を行い、査読付き論文として発表することができた。また、招待発表の依頼を受け、学会発表をを行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
査読論文の発表と招待発表を行ったことにより、両者において得たフィードバックなどを参考にしていく。それによって最終年度での総括を円滑に行うことができる。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、ポストヒューマン研究を行うにあたり、招待講演等を行うことは予定にはなかった。しかし実際、発表を行って様々なフィードバックを受け取ることで新たな知見をえることができた。これによって、例えばサイエンス・フィクション等にまで研究領域を拡大することができるようになった。したがって、次年度にて研究総括を行うことになった。
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Research Products
(3 results)