2021 Fiscal Year Research-status Report
Reception of Greek Tragedy in Japan and its Global Diffusion
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20K00495
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
野津 寛 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (20402092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
納富 信留 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (50294848)
吉川 斉 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (60773851)
葛西 康徳 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 準研究員 (80114437)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ギリシア悲劇 / 古代演劇 / 能 / 受容 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度の夏に英国へ渡航しオックスフォードで国際シンポジウムを開催すると共にギリシア悲劇と儀礼的パフォーマンスの比較研究を行う海外の共同研究者たちと情報・意見交換を行う予定だったが、これはコロナ禍の様々な制約のために実現できなかった。令和4年度の夏にようやくこの国際シンポジウムを行うことができる見通しとなったので、メールや遠隔会議システムを用いることにより、海外の研究協力者たちとの打ち合わせを行っている。野津(研究代表者)と吉川(分担研究者)は、すでに収集済みの東大ギリシア悲劇研究会の1次資料に関して、これらの資料の電子化公開に特化した具体的作業を定期的に行った。これらのの資料の大部分(パンフレット、定期刊行物、写真、ポスター等)については電子データ化を終えている。また、令和3年度に予定されていた Cazzato 氏の招聘は、コロナ禍の諸々の制約のため令和4年度に延期された(こちらは実現の見通しである)。ギリシア悲劇とその日本における受容と上演に関して、2022年3月30日、信州大学(松本)で研究会を開催した。その際、研究分担者の吉川は「「ギリ研」関連資料のデジタル化について」と、題する発表を行い、資料のデジタル化の経過報告とこれまでの作業で実際に直面するに至った技術的な諸問題について情報交換を行なった。同研究会において、研究代表者の野津は「フランスと日本におけるギリシア悲劇上演:GTA, ギリ研, Demodocos」と題する発表を行い、東京大学ギリシア悲劇研究会とフランスの学生によるギリシア悲劇上演活動の比較を行ない、これら2つの学生演劇グループの活動の間に存する類似性や相違性について明らかにする努力を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度に予定していた「第1回国際シンポジウム」と「第2回国際シンポジウム」及び令和3年度に予定した「第3回国際シンポジウム」が、いずれもコロナ禍に伴う様々な移動の制約のために開催できないままになっている。令和2年度の前期に招聘を予定していた Cazzato 氏も、同じ理由で、令和3年度にその招聘が延期されたが、再びコロナ禍に伴う移動の制限のためさらに延期された。またフランスの研究協力者である Lissarrague 氏が急死するという不幸に見舞われ、フランスの研究協力者との協力関係にも空白が生じた。その一方で、「儀礼的なパフォーマンスとギリシア悲劇に関する西欧の人類学的・比較論的研究と受容の在り方への積極的眼差しの有無が、わが国における古代ギリシア演劇の研究と受容を国内的なものにするか、国際的なものにするかの分かれ道だった」という作業仮説の実証的かつ文献学的な検討作業は、コロナ禍に伴う制約とは関係なく葛西(研究分担者)と野津(研究代表者)によって進められている。他方、東大ギリシア悲劇研究会の1次資料の収集と電子化公開に特化した具体的作業は、東京大学ギリシア悲劇研究会の旧メンバーの方々に直接お会いすることが難しくなり、新たな資料を集めるという作業が停滞したため、すでに収集した資料のみを対象にして電子化と公開の作業を進めているというのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の8月中に Oxford 大学古典学部内で本研究の総括をする「国際シンポジウム」を開催する。そのための打ち合わせが国内と海外の研究者との間で進行中である。同シンポジウムにおいて研究代表者と研究分担者のうち少なくとも2名(葛西・野津)及び複数の海外の研究協力者たち(V. Cazzato, M. Pierre, A. Sccafuro, G. Martin, 末吉)がこれまでの研究成果を発表する予定である。研究期間内に行ったシンポジウムの発表内容と研究成果は、報告書にまとめ公開する予定である。東大ギリシア悲劇研究会の第1次資料のデジタルアーカイブ化の担当者2名(吉川と野津)は、収集済みの資料のアーカイブ作業を完了し、データベース化の作業と英語訳の作業を進める。野津(研究代表者)は、各部門の担当者の報告をまとめ、各々の作業仮説の検証を進め、その結果を集約・評価し、報告書にまとめる。
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Causes of Carryover |
予定していた海外出張が出来なかったため。
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Research Products
(12 results)
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[Book] 文化転移2022
Author(s)
葛西康徳
Total Pages
270
Publisher
Bibliotheca Wisteriana