2021 Fiscal Year Research-status Report
Comparative Study of English Borrowings in Japanese Based on the Development of a Multilingual Database
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20K00625
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
今村 圭介 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (00732679)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 英語借用(語) / 言語接触 / データベース / 言語変化 / 外来語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は多言語比較のために英語借用データベース作成が不可欠である。当初の計画通り、代表者は令和3年度で日本語における英語借用のデータベースの作成を終了させた。多言語間で統一された基準に基づき、16470語の入力を終えることができた。データベースについては、作成メンバー間で2021年9月にオンラインでミーティングを行い、公開方法や、必要な調整について議論を行った。その結果、Dutch Language Institute の次のウェブサイトで公開をしている (https://lex-it.inl.nl/lexit2/?db=glad&lang=en)。なお、データベースは、日本語を含む10言語(チェコ語、デンマーク語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポーランド語、ギリシャ語、(標準)中国語、韓国語、日本語)でほぼ完成しており、その他7言語(アルバニア語、広東語、ドイツ語、ノルウェー語、ギリシャ語、ロシア語、フィンランド語)でのデータベース作成も進行中である。 さらに、令和2年度に予定されていたが延期していた、1st GLAD Asia symposiumはオンラインにて令和3年度に開催することができた。プロジェクトメンバーを中心に50名ほどの参加があり、韓国語、広東語、中国語、日本語における英語借用について、活発な議論を交わすことができた。一方で今後の比較を進めるための課題も浮き彫りになり、データベースの修正が必要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
データベースの作成については、当初の予定通り、令和3年度中にある程度の作成を終えることができた。一方で、新型コロナウイルスの影響から、対面でのミーティングを全く行うことができなかったため、多言語間比較を可能にするための、各言語間での入力の細かな調整を十分に行うことができなかった。オンラインにおける調整は少し行ったものの、参加者が多いことと、時差の問題があるため、困難であった。また、そのような調整を行う必要性が高い部分も多いことがわかり、今後の調整に多くの時間をかかることが予想される。そのため、令和4年度から行う予定であった、多言語比較の研究も後ろ倒しにせざるを得ない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、多言語比較を開始するためには、多言語間での調整をさらに行っていく必要がある。継続してオンラインにおける議論を進めると共に、対面による議論の機会を模索していく。 同時に、令和3年度まででわかった日本語におけるデータベースの課題にも対応していく。具体的には、一般的だがこれまで使用した辞書資料から抽出できなかった語を、「日本国語大辞典」から抽出し、補っていくこと、意味の入力をさらに進めていくこと、である。 令和4年度は、そのようなデータベースを比較可能にするために必要な修正を中心に行っていく。また、令和5年度から多言語比較を行えるように、修正前のデータをもとに、各言語の英語借用の特徴を形づける、社会言語学的な背景についての分析を先行して始めていく。令和5年度に実際に数の集計を行い、英語借用の多言語比較を量的・質的に行っていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響から、研究代表者の海外渡航及び、海外の研究者の日本への招聘を行うことができなったことが理由である。予定していた学会参加やシンポジウムの開催は全てオンラインとなり、そのための旅費が全て支出する必要がなくなった。多言語間での調整が必要という、研究の性格上、対面でやり取りを行うことが不可欠であるため、各国の入国制限や日本のビザ発給の状況を注視しながら、令和4年度以降に対面での会議参加やシンポジウム開催を計画して行きたい。
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Research Products
(9 results)