2021 Fiscal Year Research-status Report
The dawn of the Italo-Japanese relations - Centering on travel journals by Italians exploring inner regions of Japan in the years immediately following the Meiji Restoration
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20K00914
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
BERTELLI GIULIO・ANTONIO 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (60598431)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日伊交流史 / 幕末・明治期 / マティルド・サリエ・ド・ラ・トゥール / 駐日イタリア公使 / 蚕種商人 / 日本旅行記 / ウーゴ・ピサ / アレッサンドロ・フェ・ドスティアーニ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度はまず、初代駐日イタリア公使の妻であるマティルド・サリエ・ド・ラ・トゥールおよびその旅行記などの史料の国内外における知名度と重要性の理解を高めるために、2回オンラインで口頭発表を行った。1回目は「Informasia」(第4回)という国際研究会における「A Western Woman Travelling into the Interior of Japan in 1869: Travel Journals of Mathilde Sallier de La Tour, Spouse of the First Italian Minister Plenipotentiary to Japan」という英語による発表である。2回目は「イタリア史研究会」において、「初代駐日イタリア公使夫人マティルド・サリエ・ド・ラ・トゥールの旅行記に見る日伊交流の黎明期 (1867-1870)」という日本語による発表である。 さらに、同テーマに関して、奈良女子大学の学生向けに、「初代駐日イタリア公使夫人マティルド・サリエ・ド・ラ・トゥールが見た幕末維新期の日本 ~書簡、旅行記やスケッチブックを中心に~」を題名とした講演会を開くこともできた。イザベラ・バードの旅行記より9年前に書かれた上述の史料は読み物としても非常に興味深い ため、その一部を日本語に翻訳しはじめ、刊行に向けて様々な出版社を打診した。同時に、1870年から1872年まで在日イタリア公使館において書記官として勤め、中国、そして蝦夷地を含む日本の内地を旅行したウーゴ・ピサの旅行記手稿(イタリア語)の翻刻、そして幕末・明治初期における日伊交流史を中心とした学術専門書の執筆活動を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度も新型コロナウイルスの蔓延によって、マティルド及びピサの研究、そして学術専門書の執筆に欠かせない国内・海外における日伊交流史を中心とした史料調査活動は大変困難であった。現在、インターネットを通して入手できる史料、以前収集した史料を中心に研究を進めているが、可能であれば2022年度に国内外(外国は主にイタリア)における史料調査活動を行う予定である。前述の通り、幕末・明治初期の日伊交流史を中心とした学術書の執筆活動、ウーゴ・ピサの旅行記の翻刻活動も少しずつ進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、過去に収集した史料を活用し、幕末・明治初期における日伊交流史(主に外交・貿易史)を中心とした学術専門書の執筆活動を続けることと、在日イタリア公使館の若いイタリア人書記官ウーゴ・ピサによる回想録の翻刻・註釈活動、そして可能なら、英訳を進める予定である。新型コロナウイルスの蔓延が許す限り、国内外における史料収集を目的とした旅行を行う予定である。ウーゴ・ピサについての史料の一部はイタリア・ミラノにあるため、できるだけ早くそちらを訪れ、入手したい。 また、少しずつ初代駐日イタリア公使夫人マティルドの主な史料の日本語訳を進め、その刊行に向けて尽力する。 更に、2022年度も国内外の主催者が開催するシンポジウムや研究会などでも研究成果を発表したい。
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Causes of Carryover |
2021年度は新型コロナウイルスが蔓延していたため、史料調査を中心とした国内外における旅行を行うことができず、研究旅行に充てようと計画していた金額は利用できなかった。2022年度中は研究活動及び史料調査、そして研究発表を目的とした日本国内(主に東京)、そしてイタリア(主にミラノ)などを目的地とした旅行を行う予定である。
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