2022 Fiscal Year Research-status Report
古文書学における料紙と機能・様式の有機的関係について
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20K00923
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
漆原 徹 武蔵野大学, 文学部, 教授 (20248991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 友彦 皇學館大学, 文学部, 教授 (40278411)
神野 潔 東京理科大学, 理学部第一部教養学科, 教授 (40409272)
花田 卓司 帝塚山大学, 文学部, 准教授 (60584373)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 文書の料紙 / 楮紙 / 雁皮紙 / 奉書 / 杉原紙 / 強杉原紙 / 檀紙 / 引合 |
Outline of Annual Research Achievements |
漆原徹(研究代表者)「薬師寺東塔擦銘-刻書前半部とその背景についてー」『武蔵野大学教育學論集14号 196~177頁 共著者 廣瀬裕之・遠藤祐介 2023年3月 岡野友彦(研究分担者)「伊勢御師の淵源をめぐって」『地方史研究』418号12~15頁、2022年8月 「家康と江戸」堀新・井上泰至編『家康徹底解読』文学通信、250~260頁、2023年2月 神野潔(研究分担者)神野潔・岡田順太・横大道聡編集『法学概説』弘文堂 2022年5月
科研での共同調査は、2023年1月23~26日山口県文書館で行うことができた。同館所蔵の重要文化財「熊谷家文書」の調査を実施した。顕微鏡撮影を許可され、100倍率の顕微鏡を用いて料紙の状態を確認しつつ巻子の状態でも料紙の状況を確認できる二例目(最初は賀茂別雷宮神社文書で確認したが、成巻直後のものであった)であったが、前近代の成巻でも料紙の状態を知ることができる例を確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本科研の採択された2020年は、感染症拡大の社会状況の中で、文書所蔵の公共機関及び個人所蔵者からの文書調査の許可が得られにくい状況が継続していたこと、また研究代表者と3人の研究分担者の所属研究機関である各大学で、宿泊を伴う県外調査旅行出張の自粛が求められていたことも研究調査遅延の大きな理由である。本研究は、文書料紙の実物を目視と顕微鏡撮影などで調査することが前提なので、感染状況により調査が実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長を認められた2023年度で、なるべく多くの文書の調査を実施して分析の資料を集積して、従来の研究成果に加えて新知見が得られるように努力したい。従来の調査では、料紙の状態は、加工されていないものに限定していたが、江戸時代の巻子状態での文書でも料紙の状態が判別できる例を知ることができたので、この点の解明も進展させたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究計画で旅費などの予定支出が、感染症拡大の期間に該当して調査旅行が実施できなかったことにより、認められた研究延長期間に調査実施を予定して使用する計画である。
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Research Products
(2 results)