2023 Fiscal Year Research-status Report
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20K00936
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安岡 健一 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 准教授 (20708929)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自分史 / ケア / オーラルヒストリー / 図書館 / アーカイブ / パブリックヒストリー / 地域資料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度においては研究発表と研究課題遂行中に新たに展開した学際的・社学連携的な動きに中心的に取り組んだ。①大阪歴史科学協議会の大会では「歴史学者の職能とオーラルヒストリー」と題した発表をおこなった。②SGRAフォーラム「国史たちの対話」では、「わたし」の歴史、「わたしたち」の歴史:色川大吉の「自分史」論を手がかりに」と題して日本・中国・韓国の研究者に発表し、意見交換を行った。③第3回 日本における第二次世界大戦の長期的影響に関する学際シンポジウムでは、戦争記憶と地域史の結びつきについて論じた。この他、国立歴史民俗博物館の刊行物『Rekihaku』にも聞き取り資料についての論考を掲載できた。(1)コロナ禍に取り組んできた、学生によるコロナ禍のオーラルヒストリーについて『コロナ禍の声を聞く』として2023年11月に大阪大学出版会から刊行。この刊行に至るまでは、学園祭や大学による学外イベントといった開かれた場での聞き取りの実践があり、また、刊行後は学内外でのシンポジウムと各種メディアでの広報を実施した。また、地域住民の記憶を聞き取る企画として公立図書館と連携して取り組みを行った。(2)社団法人セーフティネットリンケージの運営する「みまもりあいプロジェクト」によるインタビュープログラムの作成に協力した。(3)地域住民向けの講演会で自分史の歴史などを講演し、併せて前年度調査にて得た知見をもとに、来場者が関わる形での「自分史」的なワークを試行した。(4)大阪大学グローバル日本学教育研究拠点形成事業における「オーラルヒストリー資料の保存・公開・活用に関する共同研究」と提携し、研究会を実施し、2024年度に海外研究者を招聘して実施する国際シンポジウムの準備をした。(5)地域住民の聞き取りプロジェクトを支援し、冊子の刊行につなげた(『寺本知さんってどんな人?』2023年9月)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に起きた研究領域の拡大が、本年度の調査・研究活動および広報活動を通じてより実質を伴ってきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
元々の計画で予定していた国際的な交流について着実に実施するべく準備する。
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Causes of Carryover |
2020~2022年度に生じた遅れを取り戻すのに相応の時間を要していることと、研究遂行を通じた内容発展によって新たに実施すべきことが生じたため。残りはいくつかの実地調査のみなので、着実に実施する。
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