2020 Fiscal Year Research-status Report
明治~大正期民衆の天皇受容に関する研究 -御猟場を事例に-
Project/Area Number |
20K00966
|
Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
吉岡 拓 明治学院大学, 教養教育センター, 准教授 (50733309)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮間 純一 中央大学, 文学部, 准教授 (10781867)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 身分集団 / 郷士 / 由緒 / 丹波国桑田郡山国郷 / 御猟場 / 天皇 |
Outline of Annual Research Achievements |
「『基盤研究(C)』及び『若手研究』における独立基盤形成支援(試行)」の成果として、「中近世『名主』考」(坂田聡編『古文書の伝来と歴史の創造 由緒論から読み解く山国文書の世界』(高志書院、2020年)、「十八世紀丹波国桑田郡山国郷における由緒書の編纂と『郷士』身分」(『カルチュール』(明治学院大学教養教育センター)15-1、2021年)の2本の論文を発表した。いずれも、丹波国桑田郡山国郷を対象としたもので、中世末期から近世中期にかけての身分集団の形成、ならびに彼らの主張する由緒の創出過程について議論したものである。 従来、この地域では「名主」(みょうしゅ)と呼ばれる集団が中近世を通じて一貫して支配的地位にあったとされてきたが、両研究によって、①名主集団は中世期にはその存在を史料上からは確認することは難しく、また近世期に入って以降も集団の構成範囲は変転し、固定化されるのは18世紀末であること、②この名主集団が中世末期に作成したとされてきた由緒の成立は19世紀初めころと見るべきであること、以上2点をあきらかにした。 なお、基盤研究(C)採択課題「明治~大正期民衆の天皇受容に関する研究-御猟場を事例に-」については、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、予定していた調査のすべてを中止・自粛せざるを得なくなり、具体的な成果をあげるには至っていない。よって、今年度は、研究環境を整備し、関連文献を検討することで、研究に必要な知識の拡充に努めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大により予定していた調査の中止・自粛を余儀なくされたため、基盤研究(C)採択課題「明治~大正期民衆の天皇受容に関する研究-御猟場を事例に-」については、関連研究を精査する以上の成果をあげることはできなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
本報告書を書いている時点で緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が継続中であり、今後の予定自体が立てにくい状況にあるが、調査が可能になり次第、予定していた各地に調査に赴きたい。なお、感染拡大防止上の観点から、宣言解除後も首都圏外への異動が難しい際は、近郊地域の御猟場の調査を重点的に行う形に研究計画を変更する予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により予定していた調査のすべてについて中止・自粛を余儀なくされたことから、予算の多くを使用することができなかった。 次年度は、本年度中止となった調査を可能な限り実施し、計画を軌道に乗せていきたい。
|
Research Products
(2 results)