2021 Fiscal Year Research-status Report
まちづくりの視点を踏まえた日本商業史の再検討―商店街の職住関係に注目して―
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20K00976
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
満薗 勇 北海道大学, 経済学研究院, 准教授 (40735750)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 商店街 / 日本流通史 / 小売業の近現代 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては、新型コロナウィルスの影響により、遠方への資料調査が困難となり、前年度に引き続いて、十分な資料収集が難しい状況が続いた。図書館を通じて資料を取り寄せたり、古書店から資料を購入したりしたことにより、基礎的な資料の蒐集に努めるとともに、可能な範囲で代替的な資料の蒐集を模索しながら研究を進め、その範囲では進捗がみられたが、当初の研究に照らせば不十分なものにとどまっており、今後はその遅れをカバーしていくことが必要になると考えている。一方で、日本商業史の全体像については、商店街の職住関係も含めて、既往の研究成果も織りこんだ通史的な概説書を単著として刊行することができた。改めて日本商業史における商店街やその職住関係の重要性を確認することができたことから、今後の本研究の遂行にとっても重要な足がかりになると考えている。さしあたっては、研究計画にあげたフィールドのうち、銀座通商店街に関する研究が、成果としてのとりまとめを待つ段階にまで進行してきており、その成果によって職住関係の実態がまちづくりの取り組みにどう影響を与えてきたのかを見通せるものと期待される。今後は新たなフィールドを見つけながら、資料収集をさらに進めて行く必要もあるが、横浜の商店街に関わる資料の所在について、有益な情報を得られたため、次年度は銀座、川越とともに、横浜の事例についても、本格的な実証研究に取り組めるよう準備を進めていくこととしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響により、遠方での資料調査が困難となり、当初の計画で予定していた資料収集を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの影響は依然として不透明であるが、調査可能な状況になり次第、商業史資料を豊富に所蔵する機関を中心tの下資料収集を集中的に進めて行く。個別のフィールド研究については、①銀座については商店街組織やその活動に関する研究を成果発表に繋げ、②川越については「蔵造り」によるまちづくりの実態に関するさらなる資料収集を本格的に進め、③横浜については資料の所在や利用可能性についての予備的な調査を始めていきたい。
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