2021 Fiscal Year Research-status Report
岡山藩領における村落構造と<地帯構造>についての基礎的研究
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20K00992
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Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
三田 智子 就実大学, 人文科学部, 准教授 (80713106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 徹 山口大学, 教育学部, 教授 (90263748)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 岡山藩 / 村落構造 / 地帯構造 / 地域社会 / 備前国 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的である、①岡山市立御津図書館所蔵水河家文書の調査とその公開・地域への還元と、水河家文書の分析を基盤に②岡山藩領における村落構造と〈地帯構造〉の解明 、に即して21年度は以下の作業を行った。 1(①):岡山市立御津図書館所蔵水河家文書の整理と目録確認作業。9・12月に計2日、岡山市立御津公民館で実施した。整理作業は、史料1点ごとの目録確認(史料名・年代・形状・備考)と封筒への袋詰め・表書きである。また新出で未整理である状物を中心とした史料群についても目録を作成した。整理作業にあたっては、研究代表者と分担者が中心となりつつも、岡山市立図書館や就実大学の関係者の協力もえて実施することができた。今年度は対象史料の約10%の目録化を完了した。あわせて、一部の史料については将来のデジタル画像公開も見据えて撮影作業を開始した。 2(①②):岡山県立記録資料館所蔵の津高郡鹿瀬村資料には、水河家が所在した河内村富谷の北側に隣接する金川村の名主文書が含まれている。金川は御津地域の中心部でもあり、〈地帯構造〉の解明にはその内容検討も必要である。そのため、研究代表者が10月にサンプル的に調査と写真撮影を行った。 3(②)20年度に史料調査を実施した金川地域の個人宅を訪問し、史料群の内容を伝えるとともに、今後の調査方法について打ち合わせを行った。 4(②):20年度に調査・撮影をおこなった水河家文書や板津家文書を利用して、オンラインでの研究会を4回実施した(6・9・10・2月)。研究代表者と分担者を中心に、調査参加者も参加し、報告・内容検討をすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ・ウィルスの感染拡大により、①の中心である水河家文書の調査活動はさまざまな制約を受けることとなった。とくに21年度は感染拡大により、史料所蔵先である図書館が休館する時期もあり、調査予定をたてることも困難であった。このため史料調査の作業ペースは想定よりもかなり遅れている。また岡山市立御津公民館で実施を予定していた、地域住民にむけた「調査報告会」も開催を見送ることとなった。 一方で、年度内にオンラインでの研究会を4回実施し、②にむけた検討を着実に進めることができた。今後内容検討をすすめる上で不可欠となる、水河家の来歴や文書群全体の構造についても概要を把握するにいたっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者・研究分担者間で緊密に連絡を取り合い、新型コロナ・ウイルスの感染拡大状況を鑑みながら、水河家文書の調査をおこなうとともに、研究計画を推進する。22年度には、史料調査を着実に進めるため、研究代表者が定期的に小規模に調査を実施する。また20・21年度の調査結果を基盤にしながら、村落構造・地帯構造を解明するための作業も進める。オンラインでの研究会を続け、調査情報や史料検討の共有と、議論を深めることを目指す。 また、新たに所在を確認した史料群についても、可能な範囲で調査を実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ・ウイルスの感染拡大により、21年度は史料調査を十分に行うことができず、また延宝への研究出張もオンラインとなったため、次年度使用額が発生した。 22年度には、これまでの調査の遅れを取り戻すため、調査回数を増やし、研究補助の雇用も予定している。21年度分とあわせて、使用する予定である。
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Research Products
(1 results)