2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K00995
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
仁藤 敦史 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (30218234)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 古代荘園 / 額田寺 / 栄山寺 / 国印 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、まずA研究史整理と課題の確認をおこない、B額田寺伽藍並条里図の非破壊分析(印影と布端を中心に) と麻布の科学的分析、C条里坪付情報集積ソフトの設計開発を開始するとともに、D基本図書の資料収集、E館蔵荘園史料の整理検討を準備作業としておこなうこと、フィールドワークとしてはⅠ栄山寺周辺予備調査(奈良県五條市)とⅡ額安寺周辺調査(奈良県大和郡山市)、などをおこなう。さらに、外部の研究協力者およびゲストスピーカーを集めて歴博での研究会を開催することを計画していた。 今年度の実績は、新型コロナ蔓延による移動の制約により、フィールドワークを実施することができなかったが、それ以外の研究は、概ね当初の計画どおりに計画を進めることができた。まずAの研究史整理は、栄山寺関係の先行研究論文のリスト化をおこない、主要なものを集成した。Bの額田寺伽藍並条里図の非破壊分析と麻布の科学的分析については、12月16日と18日に分析科学や染織関係研究者らの協力を得て、電子顕微鏡による非破壊調査を実施し、西山虎之助氏による模写本ですでに確認されていた56個所以外に多くの影印の痕跡が残されていることを確認した。左右両端を超えて国印が捺されていることも確認され、本来はさらに大きな図面である可能性も指摘できた。Cの条里坪付け情報については、坪単位の開発情報の集成をほぼ完了し、開発状況を把握するための基礎的作業を完了した。Dの基本図書の収集については、栄山寺関係の図書を古書で数冊購入した。12月18日には外部の研究協力者とともに歴博で研究会を開催し、多くの助言を受けた。また、3月7日には、中世研究者と栄山寺研究会を早稲田大学で開催した。来年度からは歴博共同研究としても研究を開始する予定である。栄山寺領の成立過程フィールドワークについては、来年度の課題として開催したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の実績は、新型コロナ蔓延による移動の制約により、フィールドワークを実施することができなかったが、それ以外の研究は、概ね当初の計画どおりに計画を進めることができた。現地地図やグーグルアースなどにより、現地の地形状況を事前調査し、来年度のフィールドワークに備えた。
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Strategy for Future Research Activity |
フィールドワークについては、新型コロナ感染症の状況が落ち着き次第、Ⅰ栄山寺周辺予備調査(奈良県五條市)とⅡ額安寺周辺調査(奈良県大和郡山市)を中心に開始したい。国立歴史民俗博物館における館蔵資料型共同研究に採用され、中世史研究者との共同研究が開始できることは大きなメリットとなる。開発状況を可視化する方策を館内の情報史料学の教員と相談し、次年度にむけて開発したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナ蔓延による移動制限によりフィールドワークが実施できなかった。そのための経費を次年度に繰り越す。
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Research Products
(2 results)