2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a Material Context Avoidance Program to Contribute to the Sustainability of Archives
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20K01118
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山下 俊介 北海道大学, 水産科学研究院, 特任助教 (50444451)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 資料コンテクスト / デジタルアーカイブ / 持続性モデル / 回避プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
【要素研究1.先行アーカイブ事業の調査】昨年度に引き続き、資料コンテクスト情報の質と量、構築作業に要する時間コストの見込みを、既存デジタルアーカイブおよびWEB公開情報を中心に閲覧・分析を行った。また活動終了後の複数アーカイブを継承・集約したポータル的なアーカイブ(アーカイブのアーカイブ)を対象に、コンテクスト関連メタデータの管理・公開状態を調査した。
【要素研究2.コンテクスト回避プログラムが事業持続性に貢献するための作業概念モデルの構築】最低限の資料探索およびコンテクスト情報として優先的に採取することが有用である複数情報を実際にミニマムコンテクスト情報として選び、アーカイブ理論との整合性を確かめつつ作業概念モデルを検討した。また、こうした総合的理解に至る前の情報の公開・利用において課題となる情報の信頼性・鮮度に対して有効な手段である、資料情報のバージョン管理手法の検討を行った。
【要素研究3.資料コンテクスト回避プログラムの実践と効果検証】研究対象資料のひとつである水産学教授用掛図のコンテクスト情報に関する文献調査を継続して行った。統合されていない/未確定な状態のメタデータの整備作業においても、ミニマムコンテクスト情報として本年度研究で仮措定した各種情報が資料調査上有用であることを確かめた。ミニマムコンテクスト情報は、アーカイブの持続性に貢献する早期の情報公開においても有効であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍における調査地(資料所蔵場所)アクセスの制限により、研究の進展がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
要素研究2において、資料の形態等の情報に基づく脱コンテクスト的資料展示により、資料活用の可能性を試行する。またその際、生成される新視視点・構成をタグ要素として資料メタデータに還元記述し、資料へのアクセス性を高める新しいアーカイブ作業の概念モデルを構築する。要素研究3として、モデルとプログラムの実践における効果検証を目的として、多様な資料ユーザーを選定し、関心や日常活動の傾向が異なるユーザー属性に基づいた資料利用に関するデータ収集とフィードバックを実施する。回避プログラムを組み込んだアーカイブ構築実作業マニュアルをまとめて、論文等を通じて発信する。
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Causes of Carryover |
本年度は、特に調査旅費およびアルバイト作業についてコロナ対応のため控えざるを得ない状態であった。次年度については感染の蔓延状況を見つつ、本年度遂行できなかった活動を含めて実施する。
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