2021 Fiscal Year Research-status Report
ミュージアムの収蔵展示にみる保存と活用の越境的実践と文化財概念
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20K01125
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Research Institution | Kanazawa Gakuin University |
Principal Investigator |
加藤 謙一 金沢学院大学, 芸術学部, 講師 (10435539)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 収蔵展示 / 文化財の活用 / ヴィジブル・ストレージ |
Outline of Annual Research Achievements |
当初計画していた博物館施設への現地調査がコロナ禍の収束が見通せない中で十分に進めることができなかった。わずかに隣県富山県氷見市と砺波市の収蔵展示の導入事例への実地調査をおこない、これに文献調査や前年度までに完了したアンケート調査の分析結果を組み合わせて、当初予定していた収蔵展示の類型化に関わる詳細な検討および、そこからの今後の研究推進に向けた諸課題の抽出をすすめた。 具体的な研究成果としては、日本ミュージアム・マネージメント学会の第26回大会で「ミュージアムにおける収蔵展示に関する基礎的研究ー国内ミュージアムへのアンケート調査結果に基づく類型化の試みー」と題して発表をおこなった。また『金沢学院大学紀要』において論文「ミュージアムにおける収蔵展示の基礎的研究 ー調査結果に基づく類型化を中心としてー」を発表した。なお、本論文中では収蔵展示の類型化をおこなった上で、そのなかでもミュージアムの収蔵庫(管理領域)と展示室(公開領域)が互いににじみ合うように影響し合う中間領域として収蔵展示の典型事例を性格付けし、それを「保存と活用の越境的実践」として具体的事例への検討の必要性を今後の研究課題として示した。具体的には、収蔵展示の導入にあたっての背景・動機、留意事項や解決すべき課題とその克服、導入後の日常的運営に伴う配慮や工夫、さらに来館者が展示を通じて受容している情報やメッセージの具体に関わるデータの収集と検討などである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初計画していた国内外の現地調査がコロナ禍のなかでほとんど着手できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
文献調査を継続しつつ、国内の収蔵展示導入館への現地調査を8月から9月ごろを中心に集中的に実施する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で国内調査がまったく実施できなかったため旅費を使用することができなかったため。次年度は未調査地域における博物館の実地調査を集中的におこなうなかで当該旅費を使用する計画である。
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Research Products
(2 results)