2023 Fiscal Year Research-status Report
科学館における会話から明らかにする科学的思考を誘発する展示の特徴
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20K01128
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Research Institution | Toyama University of International Studies |
Principal Investigator |
繁宮 悠介 富山国際大学, 現代社会学部, 准教授 (00399213)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 会話分析 / 学習会話分類 / アフォーダンス / テキストマイニング / 共起ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年までに、長崎ペンギン水族館の来館者に対し研究趣旨を説明し、同意を得た約100組の親子の会話を録音した。魚類が多種混泳する大水槽前での会話を分析した結果、子供(小学生以下)の発話は、「尻尾が黄色い」「ああいう泳ぎ方をするんだ」という「気づき」が全体の75%を占めた。一方親の発言は、「この顔を見て」という「視点の提供」や、「ホントだね」という「強調」が、それぞれ約40%と約50%を占めた。 生命概念については、「どう移動するか」などの「構造と機能」への言及が約75%、「いつも端っこに居る」などの「環境との関わり」が約20%であった。会話の始まりは、種名を含む説明や質問であることが約60%と多かった。このことから、種を認識することは会話のきっかけとして重要であることが分かる。一方で、種名が判明することで会話が終了してしまうことも多く見られた。 頻出語、魚種名、魚種名以外のそれぞれに対して対応分析を行い、発話内容による家族のグループ分けを試みたが、明確にグループに分かれることは無く、また平均的な家族というのも居ないことが分かった。魚種名の出現頻度から家族をクラスターにまとめ、滞在時間との関係を調べた結果、ある魚種に言及したり、魚種の種類が増えたりすることが滞在時間に影響することは無かった。子どもの発話内容を対応分析すると、ウツボ、サメ、エイと言った人気種のみに言及する子どもと、それ以外の様々な種に言及する子どもに分けられるが、種名以外を含めるとタイプに分けることはできなかった。 会話内容を「魚の名前列挙」「観察・描写」「館外の話題・知識」「仮説・予想」に分類し、滞在時間の長さと関係するか調べた結果、滞在時間が長いからと言って、仮説や予想が増えるわけでも無かった。家族はそれぞれ固有の関心を持っているが、多様な関心に対応できるAI音声ガイドにより学びが深まると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響により、博物館来館者との接触が憚られる期間が長く、データ数の目標である100件を達成できたのは4年目の今年度であった。データ収集の遅れが原因となり、研究成果発表も学会発表のみで不十分である。研究期間をさらに1年延長し、研究成果発表(学会発表及び論文発表)を活発に行うこととする。
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Strategy for Future Research Activity |
会話データの分析および成果のとりまとめを進めることで、研究目的を達成することが可能である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の流行にともなう研究実施の遅れにより、研究期間を2年延長した。当初の研究内容を達成するため、データ処理と研究成果発表のための予算を残している。
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Research Products
(2 results)