2020 Fiscal Year Research-status Report
補助参加の利益の判断基準としての参加的効力に関する研究
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20K01398
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
鶴田 滋 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (90412569)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 補助参加 / 参加的効力 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に行った研究成果の概要は次の通りである。 第1に、補助参加の利益と参加的効力との関係に関する日本の学説の状況を紹介し、今後の学説の展開の見通しを示した論文を公表した。この論文では、日本の通説が、なぜ補助参加の利益の判断基準を論じる上で、参加的効力に言及しないのかを明らかにした。その上で、参加的効力の及ぶ範囲により、補助参加の利益を認める範囲を決定することができるのではないかという、本研究課題における問題意識をさらに具体化した。これは、「補助参加の利益と参加的効力」と題する論考として、渡部美由紀=鶴田滋=岡庭幹司『ゼミナール民事訴訟法』(日本評論社、2020年)に所収されている。 第2に、補助参加の利益と参加的効力との関係を考察するための前提として、これらの制度に隣接する共同訴訟的補助参加の規律について考察を行った。共同訴訟的補助参加の規律内容について、依然として共通の理解が得られていないのは、とりわけ、補助参加をはじめとする多様な訴訟参加制度との関係で、共同訴訟的補助参加の独自の存在意義はどこにあるのかが十分に明らかになっていないことにある。日本法における共同訴訟的補助参加の制度目的を、参加人に対して法的審尋請求権(憲法32条)を保障することにあると捉え、この憲法上の要請が充たされる限りで、明文の規定のない共同訴訟的補助参加の制度を解釈上承認することが許される、との視点から、共同訴訟的補助参加制度の守備範囲を明らかにした上で、共同訴訟的補助参加の成立要件および手続規律を再検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年3月末から同年9月末まで、ドイツにおいて在外研究をする予定であったが、新型コロナウイルスの影響によりこれを断念せざるを得ず、その結果、ドイツ法との比較法的考察が不十分となっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、補助参加と参加的効力(さらには訴訟告知)の制度の相互関係がいかなるものであるのかについての横断的な考察を行う。 そのために、引き続き、他の訴訟参加制度(とりわけ共同訴訟的補助参加)のとの関係について考察を続ける。 その他、従来の先行研究の助けを借りながら、最近のドイツにおける補助参加や参加的効力に関する論文を精読する。 以上のことを前提に、補助参加や訴訟告知・参加的効力が問題となる個別の事例を念頭に、どのような理由で補助参加が許され、また、どのような根拠で参加的効力が第三者に及ぶのかを検討することを通じて、補助参加や参加的効力の制度目的を明らかにすることを試みたい。
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Causes of Carryover |
2020年度は、新型コロナウイルスの影響により、全国各地で開催予定であった学会や研究会が中止またはオンライン開催となり、研究費を旅費に使うことができなかったため、使用予定額の全額を使うことができなかった。 2021年度も、新型コロナウイルスの影響が続くと思われるので、2020年度未使用であった研究費と2021年度に新たに得られる研究費は、本研究課題に関する日独の文献を収集することを中心に使用したい。もっとも、新型コロナウイルスの影響が収まれば、予定通りの使用方法で研究費を用いたい。
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Research Products
(1 results)