2024 Fiscal Year Annual Research Report
日本における英国政治システム理解の変遷:デモクラシーにおける主権論との関連
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20K01443
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| Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
眞壁 仁 北海道大学, 法学研究科, 教授 (30311898)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | 主権 / 適宜性 / 共感 / 名誉 / 自己保存 / 自尊心 / アダム・スミス |
| Outline of Annual Research Achievements |
政治思想の観点から日本における英国の政治システム理解の変遷を探ることが、本研究の課題である。最終年度は、この課題検討に不可欠であるにもかかわらず従来取りいれていなかった2つの視点を加えようとした。第一は、英国内の国家構造理解を19世紀以前に遡り、それとの関係で19世紀半ば以降の理解を位置づけることであり、第二は、英国政治システムを主権論との関係で考察する上では欠かせないスコットランドの政治思想を踏まえることである。 これらの点から、本年度内には、彼らに先立つ18世紀スコットランド啓蒙思想家アダム・スミスの主要著作の内在的理解と解釈史の検討を重点的に行った。近年の国内外の研究潮流を把握したうえで、問題視角をストア派・キケロ=ハチスン問題系の継承とマンデヴィル=ヒューム路線の批判的継承の二軸に絞り、それぞれ「状況的適宜性」と「利己主義/利他主義の枠組みを超えた視点」として整理したうえで、日本でのスミス受容史における偏った解釈とそれらの変遷を跡づけた。経済思想史での優れたスミス受容の研究もあるが、それらの先行研究を見直し、訳語の適否を含め政治思想研究として改訂する検討ができたと考える。尤も、政治哲学的な関心と実際の国制理解とは直接的に関係するわけではなく、また18世紀スコットランド思想から19世紀後半への英国政治思想への思想的継承関係も個別の思想家ごとに異なっている。しかし、本研究では、異なる年代のイングランド・スコットランドの思想が日本においては同時期に翻訳されて同時代的に解釈され、19世紀後半期から20世紀前半期にかけての英国政治システムの理解に寄与したことを重視した。 受容先の社会状況や解釈者の意図に応じて思想の選択的摂取が行なわれ、総体としての日本での英国国制観が形成されていくこと、さらにその解釈にも変遷がみられることを、限られた思想受容の事例をとおして検討した。
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