2024 Fiscal Year Annual Research Report
金融市場の発展が経済成長に及ぼす影響についての分析
| Project/Area Number |
20K01647
|
| Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
國枝 卓真 関西学院大学, 経済学部, 教授 (60511516)
|
| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
| Keywords | 金融市場の発展 / 経済成長 / 内生的景気循環 / 所有権の保護 / 借入制約 / 知識資本 |
| Outline of Annual Research Achievements |
金融市場の発展は経済成長を促進させるのか、それとも阻害するのかを、理論的・実証的に分析することが本研究の主な目的である。2024年度では、現在のところ4本の研究論文を国際ジャーナルに投稿中で、他の1本が投稿のための準備中である。 1本目は、対内直接投資に付随した最先端の技術の採択にどのような要因が影響を及ぼし、どれほど経済成長に貢献するかを分析したものである。分析対象にした東アジアの国々では、対内直接投資はそれがないときよりも経済成長を約40%押し上げるということが示された。2本目は集計リスクであっても、経済主体の能力が異質であれば、保険を掛けることができるということを示した研究で、これは伝統的な一般均衡モデルの結果とは異なる新しい結果である。3本目は、借入制約のある二分門モデルを分析したものである。この研究では、小国開放経済では借入制約が緩むとサンスポット均衡が生じる可能性があるということが示された。4本目は、相対的危険回避度と景気変動の関係を扱った研究で、相対的危険回避度が大きくなると経済の非線形性が生じて景気変動の振幅が増大するということが示された。この結果は伝統的なリアルビジネスサイクル理論では見過ごされてきた結果である。以上が、現在国際的ジャーナルに投稿中の4本である。もう一本は、経済発展と産業構造の変化の関係を実証分析したもので、良い制度の下では、農業部門の生産性が上昇すると市場メカニズムを通じて産業構造が変化し、経済発展が促進されるという結果を得た。 上記5本の研究論文の他に、5年間のプロジェクト期間中に6本の論文を国際ジャーナルに出版できたので、大変満足のいく研究成果を得られたと考えている。ただ、以上に見るように、今後益々このプロジェクトの研究成果があげられるという状況の中で、令和7年度以降も科研費による研究助成を継続して頂くことができれば、幸いであった。
|